インバウンド集客の新常識
MEO(ローカルSEO)で訪日外国人を惹きつける方法とは?
飲食店・宿泊施設・観光業など、訪日旅行客をターゲットとする業種にとって、インバウンド集客の強化はビジネス拡大の鍵です。
新型コロナウイルスの影響で一時的に落ち込んだ訪日観光も、近年では急速に回復傾向にあり、再び大きなチャンスを迎えています。
本記事では、MEO(Map Engine Optimization/ローカルSEO)を活用した訪日外国人向け集客施策について、わかりやすく解説します。
そもそも「インバウンド」とは?
「インバウンド(Inbound)」とは、海外から日本を訪れる外国人観光客を指します。日本国内ではすでに一般的な言葉となっており、ショッピング・観光・体験型アクティビティなど、多様な目的で訪日する外国人旅行者を対象とした施策を指す際に使われます。
特に近年では、「爆買い」に象徴される大量消費や、地域に根差した文化体験を求める旅行者が増加。都市部だけでなく、地方観光への関心も高まりつつあるのが特徴です。
コロナ前を上回る勢いで増加する訪日外国人客
最新の統計によると、訪日外国人観光客数はすでにコロナ前の水準を超え、過去に例を見ないスピードで増加しています。
これを受けて、観光業界ではインバウンド需要への対応が急務となっており、受け入れ体制の強化やサービスの多様化・高付加価値化に向けた取り組みが加速しています。
特に近年の業界動向では、以下のようなトレンドが注目されています:
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デジタル技術を活用した観光体験の革新(例:モバイルガイド・オンライン予約・多言語対応)
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サステナブル・ツーリズム(持続可能な観光)への取り組み
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ラグジュアリー・体験型など高付加価値な旅行ニーズへの対応
加えて、「インバウンド」に関する検索ニーズも継続的に上昇しており、今後のさらなる市場拡大が期待されている状況です。
インバウンドビジネスの成功に欠かせない「MEO」とは?
MEOとは「Map Engine Optimization(マップエンジン最適化)」の略で、
Google検索やGoogleマップ上での店舗や施設の表示順位を向上させるための施策を指します。
たとえば、
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「restaurant near me(近くのレストラン)」
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「Tokyo sushi」
といった検索において、Googleマップで上位に表示されるよう最適化するのがMEO対策です。
ただし、MEO=順位向上のみと捉えるのではなく、検索から来店までの一連の体験すべてを改善する「ローカルSEO」の一環として取り組むべきであるという考え方も広がっています。
単なる検索順位の上昇にとどまらず、地域検索からの来店導線全体の最適化こそがMEOであると定義しています。
訪日観光客が急増する今、インバウンド需要に応えるための準備は欠かせません。
訪日外国人の「検索行動」に応えるため、早速MEO対策を進めていきましょう。
なぜMEOはインバウンド集客に有効なのか?
① 世界で最も使われている地図アプリ「Googleマップ」
Googleマップは、月間アクティブユーザー数が1億5,440万人以上にのぼる、世界最大級の地図アプリです。
スマートフォンユーザーの**約67%がGoogleマップを利用しており、**訪日外国人にとっても旅先での必須ツールとなっています。
② 旅行系アプリの中で圧倒的な人気
アプリ分析プラットフォーム「Apptopia」の調査によると、
Googleマップは旅行カテゴリのアプリにおいて最も多くダウンロードされており、2021年には1億600万ダウンロードを記録しました。
このように、外国人観光客の行動導線上に自然と組み込まれているGoogleマップ上での表示最適化=MEOは、
訪日客を直接店舗へ誘導できる最も効果的な集客手段の一つであると言えるでしょう。
外国人を惹きつける、インバウンドMEO対策の方法
訪日観光客(インバウンド)を対象とした集客を成功させるには、Googleビジネスプロフィールを活用したMEO(ローカルSEO)対策が欠かせません。
特に、多言語対応や外国語のクチコミ獲得など、海外ユーザーの検索行動に対応した情報整備が重要です。
まずは、MEO対策における基本指標を押さえておきましょう。
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関連性(Relevance)
検索キーワードとビジネス内容との一致度。プロフィールの内容が充実しているほど有利です。 -
距離(Distance)
検索ユーザーの現在地、または検索語句に含まれる地域名とビジネス所在地の距離。 -
知名度(Prominence)
口コミ数や評価、Webサイト・SNS・旅行アプリでの言及量(サイテーション)などによって決まる認知度。
これらを踏まえた上で、世界中のユーザーに対応した情報整備と検索導線の最適化を行うことが、インバウンド集客において大きな効果を発揮します。
インバウンド向けMEO対策
① ビジネス名の多言語登録
Googleはユーザーの端末言語に応じて表示内容を自動翻訳しますが、ビジネス名の翻訳は不完全な場合が多いため、
英語・中国語・韓国語など、主要な訪日客の言語でビジネス名を併記することをおすすめします。
→ 例:◯◯寿司 | Sushi Restaurant
② 翻訳されない情報には英語等を併記
自動翻訳されない主な項目:
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ビジネスの説明文
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メニュー・サービス内容
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商品情報
これらにはあらかじめ英語などの言語で説明を併記しておくことで、外国人ユーザーへの理解度が大幅に向上し、
「外国人にやさしいお店」という好印象にもつながります。
③ Googleマップ以外の旅行系アプリへの店舗登録
海外では以下のような地図・観光系アプリも多く利用されています:
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TripAdvisor
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Apple Maps
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Baidu Maps(百度地図)
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Foursquare
これらのプラットフォームに無料登録することで、Googleマップ以外からの流入もカバー可能。
さらに、サイテーション(引用情報)としての効果も期待でき、知名度評価の向上につながります。
④ キャッシュレス決済対応とそのアピール
訪日外国人の多くがスマートフォン決済に慣れており、決済方法は重要な来店判断材料となります。
特に以下の決済手段は注目度が高いです:
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Apple Pay / Google Pay
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Alipay / WeChat Pay(中国)
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UNION Pay(銀聯)
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Kakao Pay(韓国)
Googleビジネスプロフィールの「属性」から決済手段を設定できるほか、
説明文・投稿・Q&A機能などを活用し、積極的にアピールしましょう。
「このお店は自分の国の決済が使える」と分かるだけで、心理的なハードルが大きく下がります。
⑤外国語クチコミを増やす
インバウンド集客において、外国語によるクチコミの蓄積は非常に効果的です。
Googleマップでは、ユーザーの使用言語に合わせてクチコミが表示されるため、英語や中国語などでの投稿があるだけで、海外ユーザーにとって「安心できる店舗」として映りやすくなります。
まとめ
インバウンド集客の競争が激化するなか、MEOを通じて多言語対応・多プラットフォーム戦略・決済利便性の訴求を行うことは、他店との差別化に直結します。
Googleマップだけにとどまらず、訪日外国人の“検索と来店の導線”を多角的に整備していくことが、今後のインバウンド戦略成功のカギです。