はじめに
「ビジネス名」は、Googleビジネスプロフィールで店舗名を登録する際の重要な項目です。誤った認識で設定してしまうと、検索順位の低下や来店率の減少を招くだけでなく、ガイドライン違反と判断されてプロフィールが停止されるリスクもあります。
本記事では、ビジネス名の持つ重要性と、ガイドラインに準拠した正しい設定・運用方法について解説します。
ビジネス名の重要性とその背景
Googleビジネスプロフィール(GBP)における「ビジネス名」は、店舗を探すユーザーにとって非常に重要な情報源となります。
なぜなら、Googleの検索アルゴリズムにおいてビジネス名は評価対象の中でも大きな影響力を持ち、どのように設定するかによって検索結果の表示順位が大きく左右されるためです。
また、ビジネス名はユーザーと店舗との“最初の接点”でもあります。適切で魅力的な名称を設定することで、検索段階から顧客の関心を引きつけ、最終的には来店・利用へと繋がる可能性が高まります。
ビジネス名の設定において、以下の2つの役割が考えられます。
1. 検索対策としての役割
検索エンジンは、ビジネス名を検索順位を決定する際の主要な指標として重視します。
そのため、原則として「看板に記載されている正式な店舗名」を登録するのが望ましいとされています。
(ただし、「正式名称が長すぎる場合」や「一般的に略称で知られている場合」には、検索されやすさやブランド認知度を踏まえ、どちらを採用するかを戦略的に判断する必要があります。)
2. 来店促進としての役割
シンプルで覚えやすい、かつ魅力的なビジネス名は、ユーザーの興味を引きやすくなります。
親しみやすいネーミングやキャッチーなフレーズであれば、消費者の目に留まり、結果的に来店や問い合わせといった行動を引き出す効果があります。
ビジネス名の編集手順(Googleビジネスプロフィール)
ビジネス名を編集する方法については、以下の方法で簡単に行うことができます。
まずは、Googleビジネスプロフィールの管理画面を開きましょう。
※新規店舗の登録方法については、別記事にて詳しく解説していますので、そちらをご参照ください。
編集手順:
Googleビジネスプロフィールにログイン
まずは、ビジネスプロフィールの管理アカウントでログインします。検索結果上の「プロフィールを編集」をクリック
該当店舗が表示されたら、「プロフィールを編集」を選択します。「ビジネス名」項目を選択
編集画面内にある「ビジネス名」セクションをクリックし、修正したい名称を入力します。変更を保存
入力内容を確認のうえ、「保存」を押して完了です。
ビジネス名に関するガイドラインと注意点
Googleビジネスプロフィールにおける「ビジネス名」は、検索上の評価に直結する非常に重要な要素です。しかし、検索対策を意識するあまり、看板や正式名称に含まれないキーワードを追加するのは避けるべきです。
ビジネス名に含めることのできない情報については、以下の例をご覧ください。
含められない情報の種類 | ガイドライン違反の例 |
---|---|
マーケティング用キャッチコピー | 例)ミライ整骨院 – 地域最安保証 |
店舗固有の内部コード | 例)ミライ整骨院 #A102 |
商標記号・登録商標記号 | 例)ミライ整骨院™ |
全て大文字で構成された単語 | 例)COFFEE STAND(通常語句の場合) |
電話番号やURL | 例)ミライ整骨院 03-1234-5678 |
営業時間の記載 | 例)ミライ整骨院 9:00〜23:00営業中 |
特殊記号(%, $, @ など) | 例)ミライ整骨院★銀座店 |
関係のない法人形態表記 | 例)ミライ整骨院 合同会社 |
商品やサービス内容の追加表記 | 例)ミライ整骨院 整体・骨盤矯正専門 |
住所や地名の記載 | 例)ミライ整骨院 渋谷駅前 |
建物名・フロア情報 | 例)ミライ整骨院(サンシャインビル3F) |
・過度なSEO目的でキーワードを羅列したような長いビジネス名は、部分的に検索には表示される可能性がある一方で、「指名検索」としてGoogleに認識されづらくなります。
これは、Googleが重視するランキング要因の一つである「知名度(Prominence)」を下げる要因となるため、結果的に検索順位の不利にもつながります。
かつては、ビジネス名に無理にキーワードを詰め込むことで検索順位を上げる手法が広く用いられていましたが、こうした施策は現在では多くのデメリットがあり、ガイドライン違反と見なされるリスクも高いため、徐々に減少傾向にあります。
一方で、実際の看板や登記上の店舗名が長くても、その名称が来店動機を高めたり、ブランドの識別に効果的であれば、長いビジネス名でも正当と認められる場合があります。
「必要な情報だけをビジネス名に含める」ということが大切です。
ビジネス名の設定において、ガイドラインに違反した場合、ビジネスプロフィールの停止につながる恐れがあるので注意しましょう。
なお、複数店舗を展開するチェーン企業や、医師・弁護士・不動産仲介業などの個人事業主については、別途ガイドラインが設けられているため、必ずそのルールを確認したうえで設定を行ってください。
難読なビジネス名を設定する際の注意点と対策
ビジネス名には多様性があり、日本国内でも難読漢字や外国語を含む名称が多く見られます。こうしたビジネス名をGoogleビジネスプロフィールに登録する場合は、いくつか注意すべきポイントがあります。
原則:正式名称のみを使用する
Googleのガイドラインでは、ビジネス名には看板や公式に使用されている名称のみを記載することが求められています。
たとえば、社名「Myrai(読み:ミライ)」のように読み方が一般に分かりづらい場合でも、「Myrai(ミライ)」といった補足付きの表記はガイドライン違反となります。
理由は明確で、実際の看板や公式資料でその表記を使用していない限り、Google上での名称として認められないためです。
難読ビジネス名への一般的な対処法
読みづらいビジネス名に関しては、以下のような方法でユーザーへの周知を図ることが推奨されます:
公式ウェブサイトや投稿で読み方を案内する
Googleビジネスプロフィールの「最新情報」や「投稿」機能を活用し、読み方やブランドの意味をユーザーに紹介しましょう。ビジネス名に読み仮名や括弧を含めない
例:「Gyro-n(ジャイロン)」のように補足を入れると、検索時のマッチ率が下がり、検索評価の低下につながります。
特に「( )」「【 】」などの記号は、Googleの検索アルゴリズムにおいて正確に処理されないことがあるため、極力使用を避けるべきです。
その他の工夫と注意点
もし、正式に「Myrai ミライ」のような看板を作成すれば、それを正式名称としてGoogleに登録することが可能になります。
ただし、ブランド名を変更・追加することは、企業のイメージやブランディングに影響する可能性があるため、十分な検討が必要です。
ビジネス名は一度設定すると変更のハードルが高く、検索や来店に与える影響も大きいため、
利便性・認知性・ガイドラインの遵守をバランス良く考えた上で、最適な名称を選ぶようにしましょう。
ビジネス名が「指名検索」に与える影響とその重要性
ローカルSEOにおいて、Googleが評価する主な指標は以下の3つです:
検索キーワードとの関連性(Relevance)
検索ユーザーから店舗までの距離(Distance)
店舗やブランドの知名度(視認性)(Prominence)
このうち「ビジネス名」が最も影響するのが、3つ目の知名度(視認性)です。
知名度の評価とは、「そのビジネスがどれだけ多くの人に認知され、言及されているか」を測る指標です。
Googleの公式ガイドラインでは「視認性」と記されていますが、実際には、ビジネス名やブランド名で検索される“指名検索”の回数が、この要素を強化する重要な鍵となります。
指名検索を増やすためのビジネス名の活用方法
ビジネス名を通じて指名検索を増やすには、「覚えられやすく、一貫したブランド表記」をさまざまな接点で発信することが不可欠です。
以下の3つのアプローチで、認知度と検索行動の強化が図れます。
1. ビジネス名の一貫性を保つ
ユーザーに認知してもらうには、すべてのメディア・接触チャネルで同じビジネス名を使うことが基本です。
例えば、以下の媒体で表記ゆれを起こさないよう統一しましょう:
公式ウェブサイト
Googleビジネスプロフィール
SNSアカウント
地域ポータルサイト
チラシや看板などのオフライン媒体
表記の一貫性があることで、検索エンジンもその名称をブランド名として認識しやすくなります。
2. サイテーション(言及)を強化する
サイテーションとは、ウェブ上の第三者サイトに自店舗の名前や情報が記載されることを指します。
業種別ポータルサイト、ブログ記事、地域紹介ページなどでビジネス名が引用されることにより、Googleはその情報の信頼性・存在感を評価しやすくなります。
可能な範囲で外部メディアへの掲載を依頼したり、PR記事を展開するなどして、サイテーションを増やしていきましょう。
3. 指名検索を促す広告活用
難読なビジネス名を含め、チラシや広告物に「◯◯◯で検索」などの訴求を加えることで、ユーザーが自然と指名検索を行うきっかけを作れます。
テレビCMやラジオ広告でも、明確に検索ワードを伝えることが指名検索増加に直結します。
まとめ
ビジネス名は、単なる“名前”ではなく、ブランドの認知度を高め、検索結果での上位表示に貢献する資産です。
ローカルSEOを強化する上で、「指名検索をいかに増やすか」は非常に重要な戦略の一つ。
そのためにも、ビジネス名の設計・運用には一貫性と戦略性が求められます。