Googleビジネスプロフィール「インサイト」の見方&分析について調べてみた!

  • 2025年5月14日
  • 2025年5月16日
  • MEO対策
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目次

はじめに

MEO対策を行う上で、検索順位のチェックは基本ですが、それ以上に重要なのが「自社のビジネスがどれだけ検索ユーザーに認知され、見つけられているか」を把握することです。そのための強力なツールが、Googleビジネスプロフィールの「インサイト」――現在の「パフォーマンス」機能です。

この機能では、検索結果において店舗情報がどの程度表示されているか、ユーザーが実際にどのようなアクション(例:ウェブサイトのクリック、電話発信、ルート検索など)を取ったのかといった重要なデータが確認できます。MEO戦略における現状分析と改善のヒントを得るには、欠かせない指標です。

なお、「インサイト」は2023年2月に「パフォーマンス」という名称に変更され、機能や集計方法も刷新されました。基本的な目的は「検索パフォーマンスの可視化」ですが、より詳細で信頼性の高いデータが取得できるようになっています。

本記事では、この新しい「パフォーマンス」機能の活用方法を、旧「インサイト」との違いを比較しながら、データの読み解き方や分析時のポイントを詳しく解説します。

Googleビジネスプロフィール「インサイト(現パフォーマンス)」とは?

Googleビジネスプロフィール(旧称:Googleマイビジネス)における「インサイト」は、MEO施策に欠かせないアクセス解析ツールです。ユーザーが店舗情報を検索・閲覧した際の行動パターンや検索種別、利用されたキーワードの傾向、さらには電話問い合わせ・ルート検索・ウェブサイトへのアクセスといった具体的なアクション(コンバージョン/インタラクション)まで、幅広いデータを提供してくれます。

このインサイト機能を活用することで、ユーザーがどのように店舗と接点を持っているのか、認知度や集客状況を可視化できます。また、施策ごとの効果検証にも役立つため、MEO対策の精度を高める上で非常に重要な情報源となります。

インサイトで得られるデータは、ビジネスの現状を的確に把握し、今後の戦略を改善・最適化するための強力な指標と言えるでしょう。

Googleビジネスプロフィール「インサイト(現パフォーマンス)」の見方と分析ポイント

「インサイト」から「パフォーマンス」へと名称が変更されたことにより、Googleビジネスプロフィールで確認できる分析項目やデータの構成にも大きな変化がありました。ここでは、新しくなった「パフォーマンス」機能における主な指標と、その見方を解説します。

パフォーマンスデータの確認方法

Googleビジネスプロフィールの管理画面にある「パフォーマンス」タブをクリックすることで、現在のアクセス・インタラクション状況を確認できます。

※旧「インサイト」時代のデータを確認したい場合は、GoogleビジネスプロフィールマネージャからCSV形式でダウンロードが可能です(手順については後述します)。

インタラクション(ユーザー行動)の確認

「パフォーマンス」タブにアクセスすると、最初に表示されるのが「概要」セクションです。ここでは、指定期間中に発生した電話発信、メッセージ送信、ルート検索などのユーザーアクション(=インタラクション)がグラフ形式で表示され、日ごとの推移を視覚的に把握できます。

アクセス回数の確認

Google検索やGoogleマップを通じて、ユーザーがビジネスプロフィールにアクセスした回数を確認できます。これにより、検索経由・地図経由の露出度を比較し、強化すべき導線が見えてきます。

ビジネスプロフィール閲覧ユーザー数

検索・マップのプラットフォームごと、またはデバイス(スマートフォン・PC)ごとに、ビジネスプロフィールを閲覧したユーザー数が表示されます。

なお、この数値は「1日1ユーザーにつき1カウント」という方式で集計されており、旧「インサイト」のような重複カウントはされません。これにより、より正確なユーザー接触の実態を把握できます。

表示に貢献した検索キーワード

ユーザーがビジネスプロフィールにたどり着く際に使用した検索語句(クエリ)の一覧も確認できます。
このデータは、ユーザーがどのような意図で店舗を探しているのかを読み解く上で非常に有益です。

📌 活用のポイント:
例えば「ラーメン」では多く検索されているのに「豚骨ラーメン」での露出が少ない場合、「豚骨ラーメン」との関連性がGoogle側に伝わっていないことが考えられます。
その場合は、Googleビジネスプロフィール上の投稿やメニュー説明文、写真キャプションなどに「豚骨ラーメン」に関する具体的な記述を増やすことで、表示機会を高める対策が有効です。

パフォーマンスデータで確認できる各インタラクションの詳細

ここからは、Googleビジネスプロフィール「パフォーマンス」機能内で確認できる各種インタラクション指標について、それぞれの意味や活用ポイントを解説します。

 メニューコンテンツの閲覧数

ユーザーがGoogleビジネスプロフィール上で、料理の詳細情報やメニュー写真、またはメニューリンクを閲覧した回数を示すグラフです。
この指標は、ビジネスのカテゴリが飲食業関連に設定されている場合のみ表示されます。

電話ボタンのクリック数

Googleビジネスプロフィール上に表示される「電話」ボタンがクリックされた回数を示します。
なお、投稿内に設置された「今すぐ電話」などのカスタムボタン経由のクリックは、この集計には含まれませんのでご注意ください。

メッセージ送信数

プロフィールを通じて送信されたユーザーメッセージの件数です。
この機能を有効にするには、Googleビジネスプロフィールでメッセージ機能をオンにしておく必要があります。
設定方法や注意点については、別途関連記事をご確認ください。

予約数(Googleで予約)

Googleビジネスプロフィールから直接行われた予約の件数を表す指標です。
予約を受け付けるには、「Googleで予約」機能を事前に有効にする必要があります。
※一部業種やカテゴリでは、この機能が利用できない場合があります。

ルート検索数

ユーザーがビジネスプロフィール上のルートボタンをクリックし、店舗までの経路を検索した回数を示します。
この数値はユニークユーザー単位で計測されており、旧「インサイト」のように同一ユーザーの複数クリックが重複カウントされることはありません

ウェブサイトへのクリック数

ビジネスプロフィールに記載されている公式サイトリンクをクリックした回数を示します。
ただし、投稿内にカスタムボタンでリンクを設定している場合は、この指標にはカウントされません

 予約リンクのクリック数(ホテル業向け)

ホテル業向けに表示される「無料の予約リンク」のクリック回数です。
この機能を利用するには、Googleの設定で「無料の予約リンク」を有効にする必要があります。

 商品の閲覧数&人気商品の表示

商品がGoogleビジネスプロフィールに登録されている場合、その閲覧数人気の商品一覧が表示されます。
店舗の販売戦略や訴求力を測る上で、非常に有益な指標となります。

※補足:インサイト/パフォーマンスデータを分析する際の注意点

多くの店舗では、毎月のパフォーマンスデータを前月比で確認し、数値の増減に着目して分析する傾向があります。しかし、業種によっては季節要因やイベントの有無による変動も大きく影響するため、短期的な比較だけでは正確な判断が難しい場合があります。

そのため、より的確な分析を行うには、長期的な視点が必要です。過去1年間以上のデータを蓄積・参照しながら、「前年同月比」などの比較を行うことで、季節性のあるトレンドや傾向の変化を見極めることが可能になります。

たとえば、飲食業であれば花見・忘年会・年末年始など、業界特有の繁閑期が存在するため、同じ月の前年と比較して増減を捉えることが非常に重要です。

旧インサイトで確認できた主な指標とその見方

Googleビジネスプロフィールの旧機能「インサイト」では、ユーザーがビジネスにどのようにアクセスし、どのような行動を取ったかを把握できる複数の指標が提供されていました。以下に、代表的な項目とその意味を解説します。

 ユーザーがビジネスを検索した方法

ユーザーがビジネスを見つけた検索の「種類」とその割合を3つのタイプで分類して表示します:

  • 直接検索:店舗名や住所など、ビジネスを特定するキーワードで検索された数

  • 間接検索:カテゴリ名やサービス名など、ビジネスを直接名指ししない検索からの流入数

  • ブランド検索:関連するブランド名で検索され、ビジネスが表示された数(多拠点展開の企業に多く見られます)

📌 分析のヒント:
間接検索が多い=MEO施策が機能している可能性が高い。
直接検索が多い=ブランド認知が進み、指名検索されている状態。

ユーザーがビジネスを見つけた Googleサービス

  • Google検索(オーガニック検索)経由

  • Googleマップ経由

どちらのプラットフォームでユーザーがビジネスにアクセスしているかを確認できます。
特に間接検索からの流入が増えている場合は、カテゴリやサービス名でのMEO施策が成功している兆候です。

ユーザーの行動(インタラクション)

ユーザーがビジネスプロフィールを見た後に取った具体的なアクションが記録されます:

  • 登録ウェブサイトへのアクセス数

  • 店舗へのルート検索(ナビ利用)

  • 電話ボタンのクリックと発信

  • メッセージ機能(Q&Aなど)からの送信件数

ルート検索の地域別表示

ユーザーがどのエリアから店舗へのルートを検索しているかを可視化できます。
これにより、実際の商圏や潜在ニーズのあるエリアが浮き彫りになります。
広範囲からの検索が多い業種では、集客エリアの拡大戦略の検討材料にもなります。

 通話の時間帯・曜日

ビジネスプロフィール経由での通話が、どの曜日・時間帯に集中しているかを確認できます。
電話応対の強化や、営業時間表示の見直しなどの改善につながります。

 写真の閲覧回数・枚数

ビジネスプロフィールに掲載された写真に関して、以下のデータが表示されます:

  • 閲覧回数:ユーザーにどれだけ写真が見られているか

  • 写真枚数:自社がアップした枚数(同業他社と比較可能)

📌 MEO施策での活用ポイント:
写真の閲覧数・枚数は、ユーザーの関心度を示す指標です。
魅力的な写真は、ユーザーが口コミ投稿や写真共有をしたくなるきっかけになり、自然な評価向上やエンゲージメントの促進につながります。

複数店舗のインサイト(パフォーマンス)データ分析することはできる?

Googleビジネスプロフィールの「インサイト(現在はパフォーマンス)」では、基本的に1店舗ごとにしかデータを閲覧できない仕様となっています。

そのため、複数の拠点を運営している企業にとっては、全店舗の数値を一括で集計したり、エリア別に比較したりすることができない点が大きな課題です。

エリア別の傾向分析や全体的なMEO施策の効果測定を行いたい場合は、各店舗のデータを個別にCSVでダウンロードし、Excelやスプレッドシートで手動集計するといった対応が必要になります。

旧インサイトデータの出力方法(CSV形式)

現在は「パフォーマンス」機能へと移行したため、旧「インサイト」データはGoogleビジネスプロフィールの管理画面上では直接確認できなくなっています。
ただし、CSV形式での出力には一部対応しており、過去のデータをダウンロードして分析することが可能です
※将来的にはこの機能も廃止される可能性があるため、必要なデータは早めに取得しておくことをおすすめします。

📥 出力手順

  1. Googleビジネスプロフィールマネージャにログイン
    インサイトを取得したい店舗(ビジネス)のチェックボックスをオンにします。

  2. 右上の「操作」メニューをクリック
    表示されたプルダウンから「インサイト」を選択します。

  3. 「ローカルレポートの作成」画面に遷移
    表示された画面で「検索に関するインサイト」を選び、「次へ」をクリックします。

  4. 抽出したい期間を指定
    任意の期間を選択したうえで、「レポートダウンロード」ボタンをクリックします。

  5. CSVファイルのダウンロード
    画面左下に表示される「ダウンロード」リンクをクリックし、CSVファイルとしてデータを保存します。

インサイト/パフォーマンスデータで注目すべきポイントと具体的な分析例

Googleビジネスプロフィールのパフォーマンスデータには、ビジネスの集客力や認知度を把握する上で欠かせない情報が数多く含まれています。
各指標の「変動の傾向」「成長パターン」「構成比の変化」などを読み解くことで、戦略立案に直結する洞察を得ることが可能です。


 デバイス・プラットフォーム別の分析

検索数の内訳を、デバイス(PC/モバイル)プラットフォーム(Google検索/Googleマップ)ごとに比較します。

分析例:

  • 1〜3月の検索ユーザー数に大きな変動はなし

  • しかし、4月に入りユーザー数が大きく増加

  • 内訳を見ると、1〜3月は主にGoogle検索が多かったのに対し、4月はGoogleマップの利用比率が急増

🔍 考察:
4月は、情報収集目的の検索に加えて、実際の来店を前提とした行動(=Googleマップでの店舗検索)が増えたと推測できます。
これは、オフライン集客が活性化しているサインでもあります。

インタラクション別指標の分析

「ユーザーのアクション数」と「反応率(インタラクション数 ÷ ユーザー数)」をセットで確認することが重要です。

分析例:

  • 4月にユーザー数が大幅増加

  • アクション数(電話、ルート検索など)も増えている

  • しかし反応率は減少傾向

🔍 考察:

ユーザー数の増加=認知度の向上、マップからの検索流入が顕著=来店ニーズの高まり

電話・ルート検索も増えており、集客に結びついている可能性が高い

ただし、ユーザー数の伸びに対してインタラクションの伸びが追いついていないため、
 さらなる情報提供(投稿・メニュー・写真の強化など)が必要

データ分析で得られる実践的な示唆

Googleビジネスプロフィールのインサイト/パフォーマンス機能は、ユーザーがどのように店舗を見つけ、どのように行動しているかを把握するための優れたツールです。
単なる数値の変動を見るのではなく、「なぜその数値になったのか」「今後どう活かすか」を考えることで、MEO対策や店舗運営の質を高める具体的なヒントが得られます。

いかがでしたか?ここまで、Googleプロフィールのインサイトの見方、分析のポイントについてご紹介してきました。この情報がMEO対策を行う方々にとって有益な情報になれば幸いです。

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