Google検索におけるローカル検索とは?
Google検索では、ユーザーの現在地や地域によって、表示される検索結果が変わります。
特にスマートフォンからの検索では、ユーザーの位置情報が検索結果に強く反映される傾向があります。
このように、地域ごとに異なる検索結果が表示される仕組みを「ローカル検索」と呼びます。
ここでは、ローカル検索の基本的な仕組みと、ローカル検索順位の確認方法について解説します。
ローカル検索とは?
ローカル検索とは、地名を含むキーワードや、地域性の高いキーワードで検索されたときに、ユーザーの位置情報を考慮して最適な検索結果を表示する仕組みです。
たとえば、同じキーワードでも、東京と大阪で検索すれば結果は異なります。
東京のユーザーに大阪のお店や施設を表示しても利用する可能性は低く、検索の利便性が下がってしまいます。
そのため、Googleは検索ユーザーの現在地を把握し、その地点に関連する情報を優先的に表示する仕組みを採用しています。
ローカル検索の制度は、ヴェニス・アップデートやピジョン・アップデートといったGoogleのローカル検索アルゴリズムの改善により、年々精度が向上しています。
地域の影響を受けやすいキーワードとは?
すべての検索キーワードが地域の影響を受けるわけではありません。
特に地域密着型のサービスや業種に関連するキーワードは、ローカル検索の影響を受けやすくなります。
地域情報の影響を受けやすい具体例は以下の通りです。
飲食店(居酒屋、レストラン、カフェ、ラーメン店 など)
教育施設(塾、カルチャーセンター、英会話教室、パソコンスクール など)
医療施設(病院、眼科、耳鼻科、歯科、整骨院 など)
地域密着の店舗・サービス(美容院、スポーツジム、クリーニング店 など)
士業(弁護士、税理士 など)
緊急対応が必要な業種(鍵の修理、水道トラブル など)
地域名で検索されるポータルサイト(不動産、人材紹介・求人ポータル など)
このような業種は、ユーザーの近くにあるサービスを優先的に探しているケースが多いため、ローカル検索が重要な役割を果たしています。
ローカル検索結果の種類
ローカル検索では、通常のWebページの検索結果だけでなく、Googleビジネスプロフィール(旧・Googleマイビジネス)に登録されている店舗情報も検索結果に反映されます。
特に、Webページの検索結果の上部に表示される 「ローカルパック」 は、ローカル検索の中でも重要なエリアです。
ローカルパックとは?
ローカルパックとは、地域に関連するキーワードや「地域名+業種」などで検索した際に、検索画面の上部に地図と一緒に表示される3件程度のビジネス情報リストのことを指します。
ローカルパックに表示される情報は、Googleビジネスプロフィールに登録されたビジネス情報(ビジネスリスティング) に基づいています。
ユーザーは地図と一緒に、店舗名、住所、営業時間、口コミ評価、写真などの情報を一目で確認できるため、集客や来店に大きく影響します。
このローカルパックで上位表示されることは、地域密着型のビジネスにとって非常に重要な集客チャネルとなります。
ローカル検索におけるMEOの重要性
店舗型ビジネスを展開している業種・ジャンルでは、ローカル検索での地図表示を活用した集客=MEO(Map Engine Optimization)の重要性が年々高まっています。
特に中小規模の事業者にとっては、大手ポータルサイトや多店舗展開しているチェーン店とSEO(オーガニック検索)で競り合うのは非常にハードルが高くなりがちです。
しかし、ローカル検索においては検索ユーザーが今いる地域周辺の店舗情報が優先的に表示されるため、商圏内の実店舗同士の競合となり、比較的上位表示が狙いやすい傾向 があります。
ローカル検索の順位決定の仕組み
ローカルパックを含めたローカル検索の順位は、主に次の3つの評価要素によって決まります。
① 検索キーワードとの関連性
検索されたキーワードに対して、どれだけ店舗が関連性を持っているかが評価されます。
単に店舗名が含まれているだけでなく、ビジネスカテゴリや提供するサービス内容、周辺トピックとの整合性 も重要です。
Googleビジネスプロフィールと自社サイトの両方に、ターゲットキーワードに関連する情報をしっかりと掲載しておきましょう。
② 検索地点からの距離
検索ユーザーの現在地から、店舗がどの程度近い位置にあるかも重要な評価ポイントです。
Googleビジネスプロフィールの所在地情報や、公式サイト内の住所・アクセス情報の明記 を正確に行うことが求められます。
③ ビジネスの知名度(視認性の高さ)
その店舗がウェブ上でどれだけ言及・紹介されているか(サイテーション)も影響します。
高評価の口コミを集めることや、複数の関連サイト・メディアで店舗情報が紹介されることは、知名度向上に繋がり、ローカル検索順位の向上に寄与します。
これら3つの要素は、検索キーワードの意図や利用シーンによって優先度が変わる ため、バランスよく対策していくことが大切です。
ローカル検索順位を定期的にチェックする重要性
店舗ビジネスでは、ローカル検索での表示順位を継続的に確認することが欠かせません。
一般的なSEO順位チェックツールは、地域の影響を考慮せずに順位を取得している場合が多く、実際に地域のユーザーが目にしている検索結果とは異なることがあります。
そのため、SEO担当者はエリアごとに検索結果の違いを把握し、競合の動向も含めたローカル検索の順位管理を行う必要があります。
ローカル検索特有の地域性を踏まえた対策を講じることで、実際の来店や問い合わせなどの成果に直結しやすくなります。
ローカル検索結果を確認する方法
ローカル検索での表示順位を確認するには、いくつかの方法があります。
ここでは、Googleデベロッパーツールを利用してローカル検索結果を擬似的に調査する方法 をご紹介します。
Googleデベロッパーツールを使ったローカル検索の確認手順
① 調査したい地域の緯度・経度を取得
まずは、検索したいエリアの緯度(Latitude)と経度(Longitude)を取得します。
ここでは例として「大阪駅周辺」での検索を想定します。
Googleマップを開き、対象の場所にピンを合わせます。
地図上で右クリックし、表示されたメニューから「緯度・経度」をクリック。
自動的にクリップボードにコピーされるので、メモ帳などに一度貼り付けておきます。
※左が緯度、右が経度です。
② Google検索を実行
次に、Googleで実際に検索を行います。
ここでは例として「結婚式場」と検索します。
現在地の位置情報に基づいた通常の検索結果が表示されますが、これを任意の地点情報に変更して確認していきます。
③ Googleデベロッパーツールを起動
検索画面上で右クリックして「検証」を選択、またはF12キーでデベロッパーツールを起動します。
- 右上のメニュー(三点リーダー)から「その他のツール(More tools)」→「センサー(Sensors)」を選択します。
④ 緯度・経度を設定
「Sensors」タブが表示されたら、以下の手順で位置情報を設定します。
「場所(Location)」のプルダウンから「その他(Other)」を選択
緯度(Latitude)と経度(Longitude)のフィールドに、先ほどコピーした数値を入力
⑤ ブラウザをリロード
設定が完了したら、ブラウザを更新します。
これにより、指定した位置情報に基づいた検索結果が表示されます。
検索結果の最下部付近に表示される現在地情報も、指定した緯度・経度に変更されていることを確認できます。
専用ツール・サービスの活用もおすすめ
この方法は、正確なローカル検索結果を把握できる反面、やや操作が複雑です。
そのため、ローカル検索順位を自動で取得・管理できる専用ツールや有料サービスの導入も検討すると効率的です。
まとめ
店舗ビジネスにおける集客では、ウェブサイトを活用したSEO対策と、Googleビジネスプロフィールを活用したMEO対策の両方が重要な役割を果たします。
そのためには、まずローカル検索の仕組みを正しく理解し、ウェブサイトやGoogleビジネスプロフィールの情報を適切に整備・強化していくことが欠かせません。
こうした対策を積み重ねることで、検索評価が向上し、安定した集客につなげることができます。