Googleビジネスプロフィールの多言語対応(英語・中国語)について
外国人旅行者を集客ターゲットとする場合、店舗情報をユーザーの母国語で表示することが認知度向上に大きく寄与します。日本語が十分に話せない訪日客にとって、母国語での案内は安心感につながり、来店の後押しにもなります。
ここでは、インバウンド対策の一環として重要な、GoogleマップやGoogleビジネスプロフィールにおけるビジネス名の英語・中国語など多言語設定の方法と、多言語で検索された際の検索順位確認方法を解説します。
ビジネスプロフィール情報はブラウザの言語設定に左右される
日本国内で日本語設定のスマートフォンを利用している場合、Googleマップの検索結果も日本語で表示されます。一方、外国人ユーザーの多くは端末の言語設定が英語や中国語など自国語になっており、その言語でGoogleマップの検索結果が表示されます。
ただし、Googleビジネスプロフィールには現状、多言語の店舗情報を直接設定する仕組みがありません。そのため多くの場合、日本語で登録された情報をGoogleが自動翻訳して表示しています。適切な情報を正確に表示させるには、Googleマップ上で各言語ごとに情報を登録・編集しておくことが重要です。
ビジネス名を多言語で設定していない場合のリスク
訪日外国人を主な顧客とする店舗では、実際に利用される言語での検索結果を確認することが欠かせません。GoogleマップやGoogle検索では、多くの項目は自動翻訳されますが、ビジネス名のみは自動翻訳されません。そのため、多言語設定をしていないと、外国語で検索しても日本語表記の店舗名が表示されてしまい、認知されづらくなります。
たとえば、ある地域で「izakaya(居酒屋)」と検索された場合、ローカルパックに表示はされても店舗名が日本語のままでは外国人にとってわかりづらく、来店につながりにくくなります。
Googleビジネスプロフィールで自動翻訳されない情報項目
Googleビジネスプロフィールの中には、自動翻訳の対象とならない項目がいくつかあります。主なものは以下の通りです。
ビジネス名 ※
住所の番地以下(ビル名等)
ビジネスの説明文
商品(商品カテゴリ)
メニュー
サービス
※ビジネス名については、自動翻訳されるケースもありますが、誤訳が多く正確性に欠けることがよくあります。
現状、多言語での個別設定が可能なのはビジネス名のみです。その他の情報は各言語での個別設定ができないため、例えばメニューやサービス内容については英語等を併記してわかりやすく表記する工夫が必要です。これにより、外国人ユーザーにも安心して利用してもらえる環境が整います。
Googleマップ上でビジネス名を英語表記に設定する方法
Googleビジネスプロフィールには標準で多言語管理機能は備わっていませんが、Googleマップにはビジネス名を言語別に管理できる仕組みが用意されています。ここでは英語表記の設定手順をご紹介します。
※以前はGoogle検索のナレッジパネル経由でも設定可能でしたが、現在はGoogleマップ上のみで編集が可能ですのでご注意ください。
英語表記設定の手順
① Googleマップで店舗を検索
まず、Googleマップで自店舗を検索します。
② Googleマップの言語設定を変更
左上のメニューから「言語」をクリックし、「English(United States)」を選択します。
※英語以外にも、中国語や韓国語など必要に応じて同様の手順で設定できます。
③ 現状のビジネス名表示を確認
英語モードに切り替えた状態で自店舗のビジネス名がどのように表示されているか確認します。通常は日本語表記のままになっています。
※場合によっては自動翻訳されることもありますが、例えば「砂場」という蕎麦店が「Sandpit」と直訳されるなど、適切でない翻訳となっているケースが多いため、必ず実際の表示内容を確認しましょう。
ビジネス名の英語登録手順
④ ビジネスプロフィール管理者アカウントでログイン
情報を修正するには管理者アカウントが必要です。管理者以外では「修正提案」として反映に時間がかかる場合があります。
⑤ 編集画面を開く
「Suggest an edit」をクリック
→「Change name or other details」を選択。
⑥ 英語名の入力
「Place name in English(required)」の欄に正しい英語表記を入力し、「submit」をクリック。
⑦ 送信完了
サンクス画面が表示されたら「DONE」をクリック。審査完了後、情報が更新されます(反映まで多少時間がかかることもあります)。
設定完了後の確認
設定が反映されると、Googleマップの英語モードでは新たに登録した英語名が表示されるようになります。Google検索上でも、英語と日本語が併記された形で表示されることが確認できます。
中国語を含む多言語でビジネス名を設定する方法
インバウンド集客を強化するためには、ターゲットとなる訪日客の出身地域に合わせた多言語対応が重要です。特に中国・台湾・香港などの中国語圏からの旅行者が多いため、英語だけでなく中国語(簡体字・繁体字)への対応も欠かせません。母国語での表記により、ユーザーに親しみや安心感を与え、来店へつながる可能性が高まります。
さらに、韓国語、タイ語、ベトナム語など、他のアジア諸国からの訪問客も増えているため、来店が見込まれるターゲットに合わせて、可能な限り多言語で最適化することが望ましいです。
設定方法は基本的に英語と同様
どの言語であっても、基本的な設定手順はこれまでご紹介した英語モードでの変更方法と同様です。Googleマップで言語を切り替え、その言語モードでビジネス名を修正・登録していきます。
設定時の注意点
各言語でビジネス名を修正した後は、Googleマップの表示言語が直前に作業した言語のままになっていることが多いため、最後に日本語に戻しておくことが大切です。これを忘れると、日本語環境で見た際に意図しない言語表記のまま残ってしまう場合があります。
対応可能な言語の一例
Googleマップでは非常に多くの言語に対応しており、以下のような言語での多言語登録が可能です。
英語(English)
中国語(簡体字・繁体字)
韓国語
タイ語
ベトナム語
スペイン語
フランス語
イタリア語
ドイツ語 など
できるだけ多くの言語で最適化しておくことで、幅広い外国人旅行者に対して店舗情報を正しく伝えやすくなり、集客効果も高まります。
まとめ
インバウンド需要が高まる中、訪日外国人の集客を強化するには、外国語対応のMEO対策を早めに進めておくことが重要です。
特にビジネス名の多言語最適化は、インバウンドMEO施策の中でも最も重要なポイントとなります。訪日客が母国語でスムーズに店舗情報へアクセスできるよう、各言語での設定を確実に行いましょう。