Google口コミの集め方|頼む場面の決め方とポリシー・ステマ規制の線引き

Google口コミの集め方の基本は、利用したお客様全員に、見返りを付けず、内容を指定せず、投稿しやすい形でお願いすることです。口コミは待っていてもなかなか増えませんが、お願いの仕方を誤ると Google のポリシー違反になり、場合によっては景品表示法のステルスマーケティング規制にも触れます。

この記事では、お願いの文面そのものより一歩手前の「誰に・いつ・どの手段で頼むか」の設計と、やってよいこと・いけないことの線引きを扱います。依頼文の例はGoogleの口コミを増やす方法と文例に、投稿リンクとQRコードの作り方はGoogle口コミ投稿リンクの作り方にまとめているので、あわせて使ってください。

目次

口コミが自然には増えにくい理由

口コミが増えない店の多くは、お客様が満足していないのではなく、書くきっかけと手間の問題を抱えています。

ヘッドホンを手にした店舗スタッフ
Photo by Charanjeet Dhiman on Unsplash

お客様は書く場所を知らない

満足したお客様でも、Google マップで店を探し、「クチコミ」タブを開き、星を付けて書く、という手順を自分から踏む人は多くありません。投稿画面に直接つながるリンクやQRコードを渡すだけで、手間は大きく減ります。

書く理由がない

お客様にとって、口コミは頼まれなければ書く理由のないものです。店から一言お願いされることが、書くきっかけになります。お願いすること自体は Google のポリシーでも認められています。

Google アカウントの壁

投稿には Google アカウントへのログインが必要です。Google ビジネス プロフィール ヘルプの「クチコミを増やすためのヒント」によると、Gmail 以外のメールアドレスでもアカウントを作れます。「Gmail を持っていないから」と断られたときに伝えられるようにしておきます。また、口コミは Google アカウントの名前で公開され、匿名では投稿できません。名前が出ることをためらう人もいるので、無理に勧めず、お願いは一度にとどめるのが礼儀です。

誰に頼むか

頼む相手は「利用したお客様全員」が原則です。満足していそうな人だけを選ぶと、Google のポリシーで禁止されている選択的な依頼になります。

選んで頼むことが禁止される理由

Google マップの「禁止または制限されているコンテンツ」では、事業者が否定的な口コミを妨げたり、肯定的な口コミだけを選んで依頼したりすることを、評価の操作として禁止しています。満足度アンケートで高い点を付けた人にだけ Google の投稿リンクを案内する、といった仕組みもこれに当たります。

頼んではいけない相手

従業員、その家族、取引先、契約関係者など利害関係のある人の投稿は、同じポリシーで禁止されています。実際に客として利用した常連のお客様にお願いすることは問題ありませんが、利用実態のない知人や家族に書いてもらうことはできません。

いつ・どこで頼むか

頼む場面は、サービスを受け終わって、体験の記憶がはっきりしているうちが向いています。業種によってその場面は違うので、自店の流れの中で一つに決めます。

業種の型頼む場面の例渡し方の例
来店型(飲食・物販)会計のとき、商品を渡すときレシートや卓上のQRコード、ショップカード
予約型(美容・整体・歯科)施術や診療の後、次回予約を取るとき受付のQRコード、予約確認のメッセージ
訪問・作業型(修理・リフォーム・清掃)作業完了の報告と確認のとき完了報告のメールや書面にリンク
相談型(士業・教室)相談や講座の区切り、契約の完了時お礼のメールにリンク

来店型の店

飲食店や物販店では、会計時が自然な場面です。卓上やレジ横のQRコードは、客が自分のタイミングで読み取れる一方、声かけがないと気づかれにくいので、会計時の一言と組み合わせます。

予約型の店

美容室や整体院、歯科などでは、施術や診療が終わり、次回の予約を取るときが落ち着いて話せる場面です。予約確認のメッセージを送っている場合は、そこにリンクを添えると、帰宅後に書いてもらえます。

訪問型・相談型の業種

修理やリフォーム、士業などでは、店に来る客がいないため、作業完了の報告やお礼のメールが中心になります。Google ビジネス プロフィール ヘルプの「リンクまたは QR コードを作成してクチコミをリクエストする」でも、領収書への記載、お礼のメールへの記載、チャットの最後への追加などが例として挙がっています。

どう頼むか

頼み方で気をつけるのは、投稿までの手間を減らすことと、内容に口を出さないことの2つです。

投稿画面へ直接つなぐ

前述のヘルプによると、ビジネス プロフィールの「クチコミを読む」の横にある「クチコミを増やす」から、投稿用のリンクとQRコードを取得できます。QRコードはパソコンのブラウザでのみ作成できます。

「正直な感想」をお願いする

お願いの言葉は「よろしければ、ご感想をお聞かせください」のように、評価の高低に触れない形にします。「星5でお願いします」「◯◯のことを書いてください」のように評価や内容を指定する依頼は、Google のポリシーで禁止されています。

口頭と紙の両方を用意する

口頭だけでは帰り道に忘れられ、紙だけでは気づかれません。一言のお願いと、持ち帰れるカードやメッセージを組み合わせると、後で思い出して書いてもらいやすくなります。

Googleのポリシーで禁止される依頼

Google のポリシーは、法律よりも厳しい線を引いています。法律上問題にならない形でも、Google では禁止されている依頼があるので、Google の基準に合わせて運用します。

見返りを付けた依頼

「クチコミを増やすためのヒント」では、口コミの投稿、内容の変更、否定的な口コミの削除と引き換えに、無料や割引などの特典を提供することは「虚偽のエンゲージメント」とみなされ、固く禁じられていると説明しています。「口コミを書いたら次回10%引き」「投稿画面を見せたらドリンク1杯無料」などは、高評価を条件にしていなくても対象です。

違反したときの制限

違反が確認されると、一定期間新しい口コミを受け付けなくなる、既存の口コミが非公開になる、虚偽の口コミを削除したことを知らせる警告がプロフィールに表示される、といった制限がかかることがあります(「ポリシー違反によるビジネス プロフィールの制限」より)。

景品表示法のステルスマーケティング規制との関係

2023年10月1日から、景品表示法に基づく告示により、ステルスマーケティング(広告であることを隠した宣伝)が規制の対象になりました。口コミの依頼もこの規制に関わります。

規制の考え方

消費者庁の「『一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示』の運用基準」(令和5年3月28日)は、事業者が第三者に口コミサイトなどで自社の商品やサービスについて表示させ、その内容の決定に関与している場合を、事業者の表示になりうる例として挙げています。関与の有無は、表示内容についてのやり取りや依頼・指示、対価の提供などから判断されます。

Googleマップの口コミで措置命令が出た例

消費者庁は2024年6月6日、医療法人社団祐真会に対し、景品表示法に基づく措置命令を出しました。消費者庁の発表によると、運営するクリニックが、Googleマップの口コミに星5または星4の投稿をすることを条件に、インフルエンザワクチン接種費用の割引を伝えていたことが、ステルスマーケティングに当たると判断されています。

法律とGoogleのポリシーの差

運用基準では、ECサイトのレビューへの謝礼としてクーポンを配っても、投稿内容についてやり取りが一切なく、購入者が自主的に内容を決めた場合は事業者の表示に当たらない例も示されています。ただし Google のポリシーは、内容に関与しなくても見返りの提供そのものを禁止しています。Googleの口コミでは、法律よりも厳しい Google の基準に合わせてください。AIで作った口コミや自動化ツールとの関係はAIで作った口コミはGoogleの規約違反かで扱っています。

スタッフで続ける仕組みにする

口コミのお願いは、一時的に頑張るより、毎日の業務の一部にするほうが件数も評価も安定します。

黄色い星が並んだ評価のイメージ
Photo by Towfiqu barbhuiya on Unsplash

声をかける場面と言葉をそろえる

誰が、どの場面で、どの言葉で頼むのかを決め、スタッフで共有します。人によって頼んだり頼まなかったりすると、時期によって件数が偏ります。

スタッフに課すノルマの注意

スタッフごとに件数の目標を課すと、知人に頼む、見返りをほのめかす、といった違反につながるおそれがあります。目標を置くなら、件数ではなく「お願いした回数」のように、行動の量で見るほうが安全です。口コミの中で名前を挙げてほめられたスタッフを店内で共有するなど、評価を前向きに使う工夫もできます。

振り返りは月に一度

月に一度、新しい口コミの件数と内容を見て、頼む場面や渡し方を見直します。件数が伸びないときは、声かけが抜けていないか、リンクやQRコードが正しく開けるかを確かめます。

口コミの依頼で迷いやすいこと

口コミをお願いすること自体は違反ではないのですか?

違反ではありません。Google のポリシーは、見返りや内容の指定なしに実体験の投稿を募ることを認めています。禁止されているのは、見返りの提供、内容や評価の指定、選んで頼むことです。

口コミを書いてくれた人に、後からお礼の品を渡すのはどうですか?

投稿と引き換えの特典になるので、Google のポリシーで禁止されています。「書いてくれた人だけ」に何かを渡す形は避け、お礼は返信の言葉で伝えてください。

満足度アンケートで高評価だった人にだけ投稿をお願いしてもよいですか?

できません。肯定的な口コミだけを選んで依頼することは、評価の操作として禁止されています。アンケートを行う場合も、投稿のお願いは回答内容にかかわらず全員に同じように行います。

家族や知人に書いてもらうのは大丈夫ですか?

実際に客として利用した人であれば、その体験を書いてもらうことは問題ありません。利用していない家族や知人、従業員が書くことは禁止されています。

依頼してもなかなか書いてもらえません。どこを見直せばよいですか?

投稿までの手間と、頼む場面の2つを見直します。QRコードやリンクで投稿画面に直接つながっているか、満足が残っている場面で声をかけているかを確かめてください。

口コミ代行や購入サービスを使ってもよいですか?

利用実態のない投稿や、対価を払って書かせる投稿は、Google のポリシーで禁止されており、制限の原因になります。景品表示法の観点からも問題になりえます。

正直な声が集まる仕組みをつくる

口コミの集め方は、全員に、見返りなく、内容を指定せず、投稿しやすい形で頼むことに尽きます。業種に合った頼む場面を一つ決め、スタッフでそろえて続ければ、実態に近い口コミが少しずつ積み上がります。その口コミは、検索した人にとっても店にとっても、信頼できる情報になります。

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