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店舗の防犯カメラは、「何を守るために、どこを、どのくらいの期間残すか」を決めてから機種と業者を選ぶと、台数も費用も必要以上に膨らみません。盗難や万引きの抑止だけでなく、お客様とのトラブルや口コミの指摘を確かめる、スタッフの安全を守る、閉店後の店を遠隔で見る、といった使い方が店舗では中心です。この記事では、目的別の台数と置き場所、カメラと録画の仕様の見方、録画をレコーダーに残すかクラウドに残すか、個人情報保護委員会が示す掲示のルール、業者の探し方、よくある失敗をまとめました。
店舗が防犯カメラを置く目的を整理する

目的がはっきりすると、必要な台数、置く場所、録画をどれだけ残すかが決まります。店舗でよくある目的は次の4つです。
盗難・万引き・無銭飲食の抑止と記録
カメラがあること自体が抑止になり、起きたときには状況を確かめる記録になります。入口・レジ・商品棚や客席全体が映る位置が基本です。顔と手元が判別できる画質がないと、記録として役に立ちません。
お客様とのトラブル・口コミの指摘を確かめる
「お釣りが足りなかった」「注文したものと違う」「店員の態度が悪かった」という指摘が、来店後にGoogleマップの口コミとして書かれることがあります。レジや客席の映像が残っていれば、事実を確かめたうえで返信や対応ができます。口コミへの返信は、感情でなく事実にもとづいて書くことが大切で、映像はその土台になります。
スタッフの安全と、一人勤務の時間帯の見守り
早朝や閉店前の一人勤務では、迷惑行為や暴言への備えとしてカメラがあることが安心につながります。スマホから店内を見られる仕組みなら、オーナーが不在でも様子を確かめられます。
閉店後・バックヤード・駐車場の監視
閉店後の侵入、裏口や倉庫の出入り、駐車場での当て逃げなどに備える目的です。暗い場所を映すので、夜間に対応したカメラが必要になります。駐車場は屋外用の防水のカメラを選びます。
台数と置き場所の決め方
小さな店なら、入口・レジ・店内全体の3か所が出発点です。そこに目的ごとの場所を足していきます。
入口|出入りする人の顔が映る高さと向き
入ってくる人の顔が正面から映る位置に置きます。高すぎると頭しか映らず、逆光になる向きだと顔が黒くつぶれます。ガラス扉の店は、外の明るさでカメラが暗く映ることがあるので、逆光に対応した機種か、設置の向きで工夫します。
レジ|手元と金銭のやりとりが映る位置
レジは、お金とカードのやりとり、商品の受け渡しが映る角度にします。真上からだと手元は映りますが顔が映らないので、斜め上から手元と顔の両方が入る位置が目安です。POSレジ(売上を記録するレジ)の時刻と録画の時刻をそろえておくと、あとで照合しやすくなります。
店内全体|死角をなくす広角のカメラ
角から店内全体を見渡す広角のカメラを1台置き、棚や柱で見えない場所があれば追加します。客席が複数の部屋に分かれる飲食店は部屋ごとに1台、美容室はセット面と待合が映る位置が基本です。
置かない場所|トイレ・試着室・更衣室
トイレ、試着室、スタッフの更衣室や休憩室にはカメラを置きません。防犯の目的があっても、プライバシーの侵害になります。出入口を外側から映す形で対応します。
| 店の例 | 基本の台数 | 置き場所 | 追加を検討する場所 |
|---|---|---|---|
| 小さな飲食店(1フロア) | 3台 | 入口・レジ・客席全体 | 厨房の出入口・裏口 |
| 美容室・サロン | 3台 | 入口・レジ・セット面と待合 | 物販棚・バックヤード |
| 小売店(商品棚が多い) | 4〜5台 | 入口・レジ・通路ごと | 倉庫・搬入口・駐車場 |
| 複数の部屋がある店 | 部屋数+2台 | 入口・レジ・各部屋 | 廊下・階段 |
カメラと録画の仕様の見方

カタログには見慣れない言葉が並びますが、店舗で見る項目は「画質」「夜間」「音声」「録画の残し方」「見る方法」の5つに絞れます。
画質|顔と手元が判別できるか
画質はフルHD(1920×1080)以上が目安です。画質が高いほど録画の容量が増え、保存できる日数が短くなります。レジの手元や紙幣を確かめたい場所は高めに、店内全体の雰囲気を見る場所は標準でよい、と場所ごとに分けると容量を節約できます。
夜間|赤外線か、明かりを足すか
閉店後の店内や駐車場は、暗い場所でも映す赤外線(人の目に見えない光で撮る仕組み)に対応した機種を選びます。赤外線では白黒の映像になるため、色を残したい場所は常夜灯をつけるか、少ない光で色を映せる機種を選びます。
音声|録るかどうかを決めておく
音声も録れる機種がありますが、お客様の会話まで残ることになります。トラブル時のやりとりを確かめたい場合は役に立ちますが、店内の掲示で音声も記録していることを知らせるなど、配慮が必要です。録らない設定にできるかも確かめます。
録画の残し方|何日分を残すか
口コミの指摘は来店の数日後に書かれることが多く、クレジットカードの不正利用の問い合わせは数週間後に来ることもあります。残す日数は2週間〜1か月を目安に、店の事情で決めます。保存先の容量が足りないと古い映像から消えていくので、台数と画質から業者に日数を計算してもらいます。
見る方法|店のモニターか、スマホか
店に置いたモニターで見る方法と、インターネット経由でスマホやパソコンから見る方法があります。オーナーが店にいない時間が長いなら、スマホから見られる仕組みが便利です。その場合は店のインターネット回線の安定性と、ログインのパスワードの管理が前提になります。
レコーダー型とクラウド型の違い
録画を店に置いた機械(レコーダー)に残す方法と、インターネット経由で外部のサーバー(クラウド)に残す方法があります。初期費用と月々の費用の掛かり方が逆になります。
レコーダー型(店に録画機を置く)
カメラとレコーダーを買い取り、録画は店内の機械に残します。月々の費用はかかりませんが、機械が盗まれたり壊れたりすると映像も失われます。インターネット回線がなくても録画できるのが利点です。
クラウド型(外部に録画を残す)
録画が外部のサーバーに残るので、店の機械が壊れても映像は残り、スマホからの確認もしやすい方式です。月々の利用料がかかり、インターネット回線が止まると録画も止まる(本体に一時保存する機種もあります)点に注意します。レンタルで月額に含める形の提供も多く、初期費用を抑えて始められます。
| 項目 | レコーダー型 | クラウド型 |
|---|---|---|
| 費用の掛かり方 | 初期費用が中心・月額なし | 初期費用を抑えやすい・月額あり |
| 録画の保管場所 | 店内の機械 | 外部のサーバー |
| 機械の故障・盗難 | 映像も失われる | 映像は残る |
| インターネット回線 | 録画には不要(遠隔で見るなら必要) | 必要(止まると録画に影響) |
| スマホでの確認 | 機種と設定による | 標準で対応が多い |
| 向いている店 | 回線が不安定・長く使う前提 | 遠隔で見たい・初期費用を抑えたい |
個人情報の扱いと、店内の掲示

防犯カメラの映像で特定の人が分かる場合、その映像は個人情報として扱います。個人情報保護委員会(個人情報のルールを所管する国の機関)が、店舗などの防犯カメラについて考え方を公開しています。
利用目的は防犯に絞る
個人情報保護委員会のよくある質問(Q1-13)では、店舗などに従来型の防犯カメラを置いて防犯目的で使う場合、利用目的をできる限り特定し、その範囲で使う必要があるとされています。映像を販促や従業員の評価に使うなど、防犯以外の目的に広げる場合は別の検討が必要です。
「防犯カメラ作動中」の掲示を出す
同じ質問では、設置の状況から防犯目的であることが明らかな場合は利用目的の通知・公表は不要と考えられる一方、カメラで撮られていることを本人が容易に気づけない場合は、気づけるようにする措置が必要とされています。例として、入口やカメラの設置場所に「防犯カメラ作動中」と掲示することが挙げられ、外観からカメラだと分かる場合でも掲示が望ましいとされています。店舗では、入口の目につく位置に掲示を出すのが基本です。
顔を識別する機能つきのカメラは扱いが変わる
顔の特徴を読み取って個人を識別する機能のあるカメラは、同委員会の別の質問(Q1-14)で、防犯目的に加えて顔識別機能を使っていることも明らかにして利用目的を特定し、通知・公表が必要とされています。一般的な店舗の防犯なら、こうした機能のないカメラで十分です。
映像の管理と、第三者に見せるとき
映像を見られる人を決め、スマホやパソコンのログイン情報を共有しすぎないようにします。お客様から「自分が映っている映像を見せてほしい」と言われたとき、警察から提供を求められたときの対応は、事前に決めておきます。細かな判断に迷うときは、個人情報保護委員会が公開している事業者向けの資料や相談窓口を使ってください。最新の考え方は同委員会のサイトでご確認ください。
業者の探し方と、見積もりで確かめること
カメラは家電量販店やネットでも買えますが、店舗は配線・高所の取り付け・電源の確保・録画日数の設計が絡むため、設置業者に頼むのが一般的です。
業者の探し方
地元の電気工事店や防犯設備の会社に直接相談する方法のほか、条件を伝えると対応できる業者につないでくれるサービスがあります。たとえば防犯カメラ設置110番は、シェアリングテクノロジー株式会社が運営する、加盟している業者を紹介する形のサービスです。利用規約上、利用料は無料で、工事の契約は紹介された業者と直接結ぶ仕組みになっています。店舗の広さ・台数の希望・遠隔で見たいかどうかを最初に伝えると、話が早く進みます。サービスの内容は変わることがあるため、最新情報は公式サイトでご確認ください。
見積もりで確かめる項目
見積もりは、カメラと録画機の機種・台数、工事費(配線・取り付け・電源)、設定費、月額(クラウド型や保守)、保証の期間と範囲、故障時の対応に分けて書いてもらいます。「一式」でまとめられていると、他社と比べられません。録画を何日残せる設計か、スマホで見る設定を含むか、掲示のプレートがつくかも確かめます。
現地を見てもらう
図面だけの見積もりは、当日になって配線が通らない、電源が取れない、天井に取り付けられない、という理由で追加費用が出ることがあります。工事の前に現地を見てもらい、カメラの位置と映る範囲を一緒に確かめます。テナントの場合は、天井や壁への穴あけについて管理会社や大家の許可が必要かも確認します。
よくある失敗と対処法

店舗の防犯カメラの失敗は、機種の性能より、位置と運用で起きます。
必要なときに映像が消えていた
保存日数が短かった、録画が止まっているのに気づかなかった、という場合に起きます。保存日数を決めて業者に設計してもらい、月に1回は録画が残っているかを確かめる日を決めます。
顔が映らない・手元が見えない
高すぎる位置、真上からの角度、逆光が原因です。設置前に業者と映る範囲を確かめ、設置後も実際の録画を見て角度を直します。入口は正面から、レジは斜め上から、が基本です。
掲示を出していなかった
カメラが目立たない位置にあるのに掲示がないと、気づけないまま撮られている状態になります。入口の目につく位置に「防犯カメラ作動中」の掲示を出し、音声も記録しているなら、その旨も添えます。
スマホで見る設定のパスワードが初期のまま
インターネット経由で見られるカメラは、初期パスワードのままだと第三者に映像を見られるおそれがあります。設置時にパスワードを変え、見られる人を限定し、スタッフが退職したら共有を外します。
回線が止まって録画も止まっていた
クラウド型で、店のインターネットが止まった間の録画が残っていないことがあります。本体に一時保存できる機種を選ぶか、回線の安定を優先するか、契約前に業者に確かめます。
店舗オーナーの判断基準
まず入口・レジ・店内全体の3台から始め、録画は2週間〜1か月残す、入口に掲示を出す、という形が多くの店舗に当てはまります。閉店後や不在時に様子を見たいならクラウド型、月々の費用をかけずに長く使いたいならレコーダー型が目安です。お客様からの指摘やGoogleマップの口コミに事実で答えるためにも、レジと客席の映像を日数を決めて残しておくことをおすすめします。
業者を一社ずつ探す時間がない方は、防犯カメラ設置110番で店舗の条件を伝えて相談する方法もあります。紹介のあとは業者と直接のやりとりになるので、見積もりの内訳と録画日数の設計は自店で確かめてください。
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よくある質問(FAQ)
Q. 小さな店なら防犯カメラは何台必要ですか?
A. 入口・レジ・店内全体の3台が出発点です。部屋が分かれている、商品棚で死角が多い、裏口や駐車場も見たい、という場合に足していきます。
Q. 「防犯カメラ作動中」の掲示は必ず出さないといけませんか?
A. 個人情報保護委員会のよくある質問では、撮られていることに本人が容易に気づけない場合は気づけるようにする措置が必要とされ、掲示がその例として挙げられています。外観からカメラだと分かる場合でも掲示が望ましいとされているので、出しておくのが基本です。
Q. 録画は何日分残せばよいですか?
A. 口コミの指摘やカードの問い合わせが来店から日数をおいて届くことを考えると、2週間〜1か月が目安です。台数と画質で必要な容量が変わるので、業者に日数で設計してもらいます。
Q. 音声も録画してよいですか?
A. 録れる機種はありますが、お客様の会話まで残ることになります。録る場合は掲示で音声も記録していることを知らせ、見られる人を限定してください。必要がなければ録らない設定にします。
Q. 業者紹介のサービスは有料ですか?
A. 防犯カメラ設置110番は、利用規約上、利用者側の利用料は無料とされています。工事の費用は、紹介された業者と直接契約して支払います。
Q. 防犯カメラを置くとGoogleマップの評価は上がりますか?
A. カメラを置くこと自体で順位や評価が上がるわけではありません。ただ、トラブルや口コミの指摘に事実で対応できるようになり、落ち着いた返信ができることが、結果としてお店の信頼につながります。
