美容室・美容院のMEO対策|口コミ依頼のルールとスタイル写真で予約を増やす

美容室・美容院のMEO対策とは、「美容室 地名」「縮毛矯正 地名」などで検索した人に、Googleマップで自店を見つけてもらい、予約につなげる取り組みです。美容室は、同じ駅の周りに何十軒も並ぶことが珍しくなく、お客様は口コミとスタイル写真を見比べて店を選びます。その分、口コミの集め方と写真の扱いで決まりに触れやすい業種でもあります。この記事では、美容師法、景品表示法のステルスマーケティング規制、Googleの口コミのポリシーをもとに、美容室ならではの運用を整理します。

目次

美容室を探す人は、何で比べているか

おしゃれな美容室の内観イメージ
Photo by Greg Trowman on Unsplash

美容室の検索は、場所だけでなく「何をしてほしいか」で探されるのが特徴です。プロフィールは、施術の言葉で見つけてもらい、写真と口コミで決めてもらう流れで整えます。

施術名と髪の悩みの言葉で探される

「縮毛矯正」「白髪ぼかし」「インナーカラー」「メンズカット」「ショートカット 得意」のように、施術名や髪の悩みと地域を組み合わせた検索が多くあります。得意な施術を説明文の最初に書き、サービス欄にも同じ言葉で登録しておくと、検索した人が開いたときに一致していることが伝わります。

スタイリストの名前で探す人への対応

一度通った人や紹介を受けた人は、スタイリストの名前で探すことがあります。Googleのビジネス名は看板どおりの店名にするのが決まりなので、スタッフの名前を店名に加えることはできません。スタッフの紹介は投稿や写真の説明で行い、プロフィールのウェブサイト欄から、スタッフ紹介のページへたどれるようにしておきます。

美容師法から見た、プロフィールに書ける内容

美容室の情報を書くときは、美容師法の決まりと一致させておく必要があります。とくに、施術する人の資格と、店の外で施術するサービスの書き方です。

美容の業務は美容師だけが行う

美容師法第2条は、美容をパーマネントウエーブ、結髪、化粧などの方法で容姿を美しくすることと定め、第6条は美容師でなければ美容を業としてはならないとしています。スタッフ紹介で、アシスタントがどの施術を担当するかを書くときは、資格の有無と担当範囲が誤解されない書き方にします。

店の届出とプロフィールの所在地をそろえる

第11条は、美容所を開設する前に、位置や構造設備、管理美容師などの従業者を都道府県知事に届け出ることを求めています。美容師が常時2人以上いる美容所は、第12条の3により管理美容師を置く必要があります。移転や増床をしたときは、届出の変更と同じ時期に、Googleの住所や写真も更新します。

出張ヘアメイクを載せるときの条件

第7条は、美容師は美容所以外の場所で業務をしてはならないとし、例外を政令に委ねています。美容師法施行令第4条では、病気などで美容所に来られない人への施術や、婚礼などの儀式に参列する人へのその直前の施術などが例外として挙げられています。出張サービスをプロフィールに載せるときは「結婚式当日の出張ヘアセット」「ご自宅への訪問カット(ご病気などで来店が難しい方)」のように、例外にあたる場面を明確にして書きます。

基本情報とサービス欄の整え方

美容室のプロフィールで差がつくのは、サービス欄と予約の導線です。

サービス欄は施術名と税込みの価格で

カット、カラー、パーマ、縮毛矯正、トリートメント、ヘッドスパなど、メニューを施術ごとにサービス欄へ登録し、価格は税込みで入れます。国税庁の説明では、消費者に前もって価格を示す場合は税込み価格の表示が必要で、媒体は問われません。髪の長さで料金が変わる場合は「ショート〇円〜、ロングは〇円加算」のように条件を説明に書きます。

初回価格は通常価格との関係を正しく

「初回限定〇%オフ」のように通常価格と比べる表示は、比べる通常価格が実際に提供している価格でなければなりません。景品表示法第5条第2号は、価格などの取引条件を実際より著しく有利と誤認させる表示を禁じています。通常価格で予約できる実績のない価格を並べないようにします。

予約の導線を1つに決める

美容室は、電話、自社の予約システム、予約サイトなど、予約の入口が複数あることが多い業種です。プロフィールの予約ボタンやウェブサイト欄には、空き状況が正しく反映される入口を設定します。予約ボタンの設定は予約ボタンの設定方法で説明しています。まつげやネイルのメニューを併設している場合の扱いはネイル・まつげサロンのMEO対策もあわせて確認してください。

スタイル写真の撮り方と、同意・加工の注意

美容師がヘアドライヤーでスタイリングしているイメージ
Photo by Adam Winger on Unsplash

美容室の写真の中心は、施術後のスタイル写真です。お客様の顔が写る写真は、扱いをいちばん慎重にしたい素材です。

掲載の同意は「どこに載せるか」まで伝える

お客様のスタイル写真を載せるときは、Googleマップなど誰でも見られる場所に載せることを伝えて同意をとります。顔を出したくない人には、後ろ姿や横顔、顔の写らない角度で撮ると伝えると、断られにくくなります。モデルとして撮影したスタッフの写真も、退職後の扱いを決めておきます。

加工は色と明るさの補正まで

カラーの色味やツヤを実物以上に見せる加工は、来店後に「写真と違う」という不満につながります。景品表示法第5条第1号は、品質を実際より著しく良く見せる表示を禁じています。補正は撮影環境の色かぶりを直す程度にとどめ、髪色の比較写真は同じ照明の下で撮ります。

写真の題材を偏らせない

  • 施術の前後(同じ角度・同じ照明で撮る)
  • 正面・横・後ろの3方向のスタイル
  • シャンプー台やセット面など、店内の設備
  • 入口と外観(初めての人が迷わないように)
  • 店販品の棚(効能をうたう説明を添えない)

店販のヘアケア製品を紹介するときは、医薬品医療機器等法第66条が化粧品などの効能について虚偽・誇大な広告を禁じていることに注意し、「髪が生える」「白髪が治る」のような書き方をしません。

口コミの依頼で、守るべき2つの決まり

美容室の口コミの集め方では、Googleのポリシーと景品表示法の2つの決まりが関わります。この2つは基準が違うので、両方を満たす方法を選ぶ必要があります。

行為景品表示法(ステマ規制)Googleのポリシー
内容を指定せず、口コミを書いてほしいとお願いする広告に当たらないのが原則問題なし
口コミと引き換えに割引・トリートメント無料などを提供内容を指定しなければ原則として広告に当たらない(消費者庁Q&A)禁止(インセンティブの提供)
「星5で」「〇〇がよかったと書いて」と指定する事業者の広告に当たり、広告であることの表示が必要偽のエンゲージメントとして削除の対象になりうる
スタッフや家族に口コミを書いてもらう従業員の立場や関与によっては事業者の表示と判断される禁止(利益相反)
その場で書くまで帰さない・スタッフに件数のノルマを課す—禁止

出典: 消費者庁「令和5年10月1日からステルスマーケティングは景品表示法違反となります」「ステルスマーケティングに関するQ&A」、Googleマップのユーザー投稿コンテンツに関するポリシー。

景品表示法のステルスマーケティング規制

消費者庁によると、令和5年10月1日から、一般消費者が広告だと分からない広告は景品表示法違反になりました。規制されるのは広告主である事業者で、口コミ投稿も対象の媒体に含まれます。消費者庁のQ&Aでは、内容を指定せずに割引と引き換えに口コミをお願いする場合は原則として事業者の表示に当たらない一方、「星5」など内容を指定すると事業者の表示になると説明されています。

Googleのポリシーは見返りそのものを禁じている

一方、Googleマップのユーザー投稿コンテンツのポリシーは、金銭、割引、無料の商品やサービスなどのインセンティブと引き換えに口コミを投稿させること、否定的な口コミの修正や削除と引き換えにインセンティブを出すことを禁じています。さらに、現在または過去の雇用関係などの利益相反に基づく投稿、スタッフに一定数の口コミを集めるよう求めること、その場で評価を書くよう要求・強要することも禁止されています。つまり、法律上は問題になりにくい「口コミを書いたらトリートメント無料」も、Googleでは認められません。

美容室での自然なお願いの流れ

仕上げのあと、鏡で後ろのスタイルを確認してもらうときは、お客様の満足がいちばん具体的な場面です。会計のときに、口コミ投稿のリンクのQRコードを載せたカードを渡し、「よろしければ感想をお聞かせください」と伝える程度にとどめます。依頼の文面の作り方はGoogle口コミの集め方で例文つきで説明しています。

美容室の口コミに多い場面と返信

美容室の口コミは、仕上がりの満足と同じくらい、カウンセリングや待ち時間について書かれます。

「イメージと違った」と書かれたとき

仕上がりの不満には、公開の場で施術の正しさを主張するより、カウンセリングで確認する手順と、お直しの対応があればその案内を書きます。お客様の髪の状態や施術の詳細を細かく書くと、本人の情報を広げることになるので避けます。

担当スタイリストの名前を返信に書くか

お客様が口コミでスタイリストの名前を出して褒めている場合は、本人に伝えたことを返信に書くと、次に読む人にも雰囲気が伝わります。ただし、不満の口コミでは個人名を出さず、店としての返信にします。

口コミと写真で迷いやすいこと

口コミを書いてくれた人に次回割引を出してもよいですか?

Googleのポリシーでは、口コミと引き換えに割引などを提供することが禁止されています。景品表示法上は内容を指定しなければ原則として問題になりにくいとされていますが、Googleの口コミについては行わないでください。

スタッフが自分の店に口コミを書いてもよいですか?

できません。雇用関係にある人の投稿は利益相反にあたり、Googleのポリシーで禁止されています。家族や取引先に頼むことも同じです。

面貸しやフリーランスの美容師もプロフィールを作れますか?

美容師法では、美容師は届出をした美容所で業務を行うのが原則です。プロフィールは施術を行う美容所の実態に合わせて作り、同じ美容所に別々のプロフィールが重複しないよう、店側と話し合って決めます。

予約サイトの口コミをGoogleに転載してもよいですか?

他の場所に書かれた口コミを、店がGoogleの投稿や説明文に転載して自店の評価のように見せることは避けます。予約サイトの口コミはそのサイトの規約に従い、Googleの口コミはGoogleで集めます。

縮毛矯正やカラーの価格を「〜」で書いてもよいですか?

髪の長さや量で料金が変わる場合は「〇円〜」と書けますが、最低価格だけが当てはまる条件を説明に書きます。予約の時点で総額の目安を伝えると、会計時の不満を減らせます。

スタッフ全員で共有しておきたい進め方

サロンで取り組むなら、最初に看板どおりの店名と得意な施術が伝わる説明文にし、施術ごとのサービスを税込み価格で登録します。次に、出張サービスやスタッフの担当範囲を美容師法に沿った書き方に直し、予約の入口を1つに決めます。写真は同意をとったスタイル写真を同じ照明で撮り、加工は補正の範囲にとどめます。口コミは見返りなしでお願いし、内容を指定せず、スタッフや家族には頼みません。美容室は口コミの数が増えやすい業種なので、集め方の決まりを最初にスタッフ全員で共有しておくことが、長く続けるための土台になります。

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