AIで作った口コミはGoogleの規約違反?ポリシーとステマ規制から見る「使っていい仕組み」の条件

AIで口コミの下書きを作る仕組みは、それだけでGoogleの規約違反になるわけではありません。来店したお客様ご本人が自分の体験をもとに質問へ答え、できあがった下書きを自分で確認・修正し、自分のアカウントで投稿するなら、その口コミは本人の体験にもとづくものです。問題になるのは、体験のない投稿、見返りと引き換えの投稿、そして店舗が口コミの中身を実質的に決めてしまう運用です。この記事では、Googleのクチコミポリシーと景品表示法のステルスマーケティング規制(ステマ規制)の原文を確認しながら、どこまでが大丈夫で、どこからが危ないのかを、実際のツール画面を使って整理します。

目次

結論:AIを使うかどうかではなく「誰の体験か」「誰が中身を決めたか」で決まる

「AIが書いた口コミ」と聞くと、それだけで不正のような印象を持つ方もいます。けれども、Googleのポリシーにも日本の法律にも、「文章を書く道具としてAIを使ってはいけない」という決まりは見当たりません。判断の軸になっているのは、文章をどう作ったかではなく、その内容が誰の体験で、誰の意思で決まったものかです。

Googleのポリシーが禁じているのは「実体験に基づかない」投稿

Googleのクチコミに関するポリシーでは、虚偽のエンゲージメントとして「実体験に基づいていないコンテンツや、対象の場所や商品を正確に表現していないコンテンツ」を禁止しています。逆に言えば、実際に来店したお客様が、自分の体験に沿った内容を投稿するのであれば、下書きの段階でどんな道具を使ったかは本質ではありません。スマホの予測変換や、家族に文章を手伝ってもらうのと同じ位置づけで考えるとわかりやすいでしょう。

日本の法律では、ステマ規制の線引きがかかわる

2023年10月から、広告であることを隠した表示は景品表示法の不当表示として規制されています(いわゆるステマ規制)。消費者庁の運用基準では、事業者が第三者の「表示内容の決定に関与している」場合、その口コミは第三者の感想ではなく事業者の表示(広告)とみなされます。つまり、店舗が口コミの中身を決めてしまえば、たとえお客様のアカウントから投稿されていても、店舗の広告として扱われる可能性があるということです。

2つを合わせると、見るべきポイントは3つ

Googleのポリシーとステマ規制を重ねると、AIで口コミの下書きを作る仕組みが問題ないかどうかは、次の3点で判断できます。

  • 実際に来店・利用したお客様本人の体験にもとづいているか
  • 見返り(割引・プレゼント・金銭など)と引き換えになっていないか
  • 口コミの中身を最終的に決めているのがお客様本人か(店舗が内容を指示・誘導していないか)

この3つを満たしていれば、AIで下書きを作ること自体を過度に心配する必要はありません。反対に、1つでも欠けていれば、AIを使っていなくても違反になります。

Googleのクチコミポリシーで押さえておきたい4つのこと

ここからは、Googleが公開しているポリシーとヘルプの内容を、店舗側の実務に引きつけて確認します。

口コミを依頼すること自体は認められている

Googleビジネスプロフィールのヘルプでは、ビジネスオーナーがお客様に「Google リンクにアクセスするか、QR コードをスキャンするよう」依頼できると明記されています。口コミをお願いすることは後ろめたい行為ではなく、Googleが用意している正規の使い方です。QRコードから口コミ投稿へ案内する仕組みも、この延長線上にあります。

見返りと引き換えの投稿は「固く禁じられて」いる

同じヘルプでは、クチコミの投稿や変更、否定的なクチコミの削除と引き換えに、無料または割引価格で商品やサービスを提供することを「固く禁じられています」と書いています。「口コミを書いたらドリンク1杯サービス」「投稿画面を見せたら次回10%オフ」といったキャンペーンは、AIを使うかどうかに関係なく違反です。AIツールを導入するときも、見返りとセットにしないことが大前提になります。

体験を「正確に表現していない」内容も対象になる

見落とされがちなのが、「対象の場所や商品を正確に表現していないコンテンツ」も禁止対象に入っている点です。実際に来店したお客様の投稿であっても、食べていない料理をほめたり、体験していないサービスに触れたりすれば、内容としては不正確になります。AIの下書きを使う場合に一番気をつけるべきなのはここで、後ほど実際の画面で具体例を紹介します。

高評価が見込める人だけに頼む運用は避ける

Googleはヘルプの中で、肯定的なフィードバックと否定的なフィードバックの両方が投稿されていることで、顧客はクチコミを信用できると感じると説明しています。満足していそうなお客様だけを選んで依頼したり、低い評価を付けた人には投稿画面を案内しなかったりする運用は、口コミ欄を実態からずらすことになります。AIツールでも、評価の高低で投稿への案内を分けない設定にしておきましょう。

ステマ規制から見た「店舗が中身に関わる」リスク

Googleのポリシーとは別に、日本では景品表示法のステマ規制も意識する必要があります。違反すると消費者庁の措置命令の対象になり、事業者名が公表されることもあるため、Googleのペナルティとは別の重みを持つルールです。

店舗が表示内容の決定に関与すると「店舗の広告」になる

消費者庁の運用基準は、事業者が第三者に口コミサイトなどへ表示をさせる場合で、事業者が表示内容の決定に関与しているときは、事業者の表示になるとしています。明示的に「こう書いてください」と指示していなくても、表示内容を決定できる程度の関係性があれば、同じように事業者の表示とされます。判断にあたっては、店舗とお客様のやりとりの内容や、提供した対価なども含めて総合的に見られます。

投稿をお願いするだけなら、ただちに店舗の広告とはされない

一方で運用基準は、事業者が関与したとしても、客観的に見て第三者の自主的な意思による表示内容と認められるものは、事業者の表示には当たらないとしています。たとえば、ECサイトで購入者が自主的な意思にもとづいてレビューを書く場合は、事業者の表示にならない例として挙げられています。「投稿をお願いする」ことと「内容を決める」ことは別物です。

AIツールで気をつけたいのは、店舗側の設定

AIで口コミの下書きを作るツールでは、店舗側が設問や選択肢、文章に入れたいキーワードを設定できるものが多くあります。ここで店舗が「とてもおいしい」「最高の接客」といった評価の言葉を入れ込んだり、肯定的な選択肢しか用意しなかったりすると、口コミの中身を店舗が決めている状態に近づきます。ツールそのものより、店舗がどう設定し、どう運用するかが分かれ目です。なお、個別のケースが規制に当たるかどうかの最終的な判断は、必要に応じて専門家にご相談ください。

実際の画面で見る、AI口コミ生成の流れ

ここからは、当センターが提供しているAI口コミ生成プランのツール(提供元のデモ画面)を使って、お客様側で何が起きるのかを順番に見ていきます。どこに注意点があるのかを、具体的な画面で確認してください。

お客様は、選択式の質問に答えるだけ

チャット形式の来店アンケートで、総合評価や来店のきっかけを選択式で答えている画面
QRコードを読み取ると、チャット形式のアンケートが始まる

店内のQRコードを読み取ると、チャット形式のアンケートが始まります。最初に言語を選び、アンケートの説明と同意を確認したうえで、総合評価(5段階)や来店回数、来店のきっかけなどに選択肢で答えていきます。文章を一から考える必要がないので、「何を書けばいいかわからない」というお客様でも短い時間で答えられます。

回答をもとに、AIが下書きを作る

アンケートの回答をもとにAIが作成した口コミの下書きと、内容の確認を促す注意書き
下書きの下には「内容をご確認・ご調整のうえ、ご自身の言葉として」という注意書きが出る

回答が終わると、AIが口コミの下書きを作ります。画面の下には赤字で「上記はアンケート結果をもとにAIが生成した文章です。実際のご意見・ご感想を反映させるため、内容をご確認・ご調整のうえ、ご自身の言葉としてご活用ください」と表示されます。下書きが気に入らなければ「再生成」で作り直すこともでき(このデモでは5回まで)、お客様が納得したものだけを次の画面へ進めます。

下書きには、答えていない内容が入ることがある

このデモで実際に出た下書きをよく読むと、注意点が見えてきます。お客様が答えたのは「総合評価5」「初来店」「友達のおすすめ」「ボリュームはお腹パンパン」「接客は気さくで話しやすい」などでした。ところが下書きには「ドリンクメニューが豊富」「グルメバーガーも絶品」「目黒区というアクセスしやすい場所」など、アンケートでは聞いていない内容も含まれています。

これは、店舗が設定した商品名や地域のキーワードをAIが文章に織り込むためです。お客様が実際にドリンクメニューを見て、バーガーを食べていれば問題ありませんが、体験していないことが残ったまま投稿されると、先ほどの「対象を正確に表現していない」内容に近づきます。だからこそ、最後にお客様が自分の目で確認し、違う部分を消したり直したりできる流れが欠かせません。

Googleの投稿画面で、お客様自身が直して投稿する

Googleの口コミ投稿画面に下書きが入り、お客様が星評価と本文を編集できる状態
投稿はGoogle本来の画面で、お客様自身のアカウントから行う

「コピー&投稿ページへ」を押すと、Googleの口コミ投稿画面が開きます。下書きは本文欄に入った状態ですが、星の数も文章も、お客様が自由に変えられます。投稿ボタンを押すのもお客様自身です。最終的な内容を決めるのはお客様本人、という構造になっていることが、ポリシーとステマ規制の両面で大切なポイントです。

AI口コミツールを使う店舗が守るべき運用ルール5つ

ツールの仕組みが整っていても、使い方しだいでリスクは生まれます。導入する店舗が最低限守っておきたいルールを5つにまとめました。

ルール1:見返りを付けない

割引、ドリンク、ポイント、抽選など、口コミの投稿と引き換えに何かを渡すのはやめましょう。Googleのポリシーで明確に禁止されているうえ、ステマ規制でも「対価」は事業者の関与を判断する材料になります。スタッフが善意で「書いてくれたらサービスしますね」と言ってしまわないよう、声かけの文言も統一しておくと安心です。

ルール2:全員に同じように案内する

QRコードは会計時やテーブルなど、すべてのお客様の目に入る場所に置き、満足していそうな人だけに手渡すような運用は避けます。アンケートで低い評価を付けた人にも、同じように投稿ページへの案内が出るかどうかを、導入時に確かめておきましょう。

ルール3:設問には否定的な選択肢も残す

口コミキーワードと来店アンケートの設問を設定する管理画面。選択肢に「悪い」「とても悪い」も含まれている
設問の選択肢には「悪い」「とても悪い」も用意されている

管理画面では、設問ごとに選択肢を編集できます。このデモでも「とても良い・良い・普通・悪い・とても悪い」のように否定的な選択肢が並んでいます。肯定的な選択肢だけに絞ると、お客様の本当の感想を拾えないうえ、店舗が内容を誘導していると受け取られかねません。選択肢は消さずに残しておきましょう。

ルール4:店舗が設定するキーワードは「事実」だけにする

同じ画面の上部には、口コミに含めたい駅・エリアのキーワードや、業種・商品のキーワードを登録する欄があります。ここに入れるのは、最寄り駅、エリア名、提供しているメニュー名など、誰が書いても変わらない事実にとどめます。「絶品」「最高」「おすすめ」といった評価の言葉を店舗が設定するのは避けましょう。評価を決めるのはお客様であって、店舗ではありません。

ルール5:店舗やスタッフが代わりに投稿しない

お客様のスマホを借りてスタッフが操作する、店舗の端末で代わりに投稿する、といった運用は、本人の意思による投稿とは言えなくなります。お客様が操作に戸惑っている場合も、画面の説明にとどめ、投稿するかどうかはお客様に任せてください。「AIの文章はあくまで下書きなので、違うところは自由に直してくださいね」と一言添えると、本人の言葉で投稿してもらいやすくなります。

口コミへの返信にAIを使う場合の考え方

AI口コミ生成のツールには、届いた口コミへの返信文を作る機能が付いていることもあります。返信の場合は、口コミの投稿とは考え方が少し違います。

返信はもともと店舗自身の言葉なので、考え方がシンプル

届いた口コミを貼り付け、文体・性別・言語を選んでAIが返信文の下書きを作る画面
返信の下書きは、文体や言語を選んで作成できる

口コミへの返信は、オーナーとして店舗が名乗って書く文章です。お客様の口コミと違って、第三者の感想を装うという問題は生じないため、AIで下書きを作ることへの心配は少なくて済みます。このツールでは、届いた口コミを貼り付けて文体や言語を選ぶと返信の下書きができあがり、コピーして使えます。

下書きに、店舗ならではの一言を足して送る

ただし、AIの返信は丁寧な分、どの店でも通用する文面になりがちです。口コミで触れられた料理名やスタッフの名前、次回のおすすめなど、その店にしか書けない一言を足してから返信すると、読む人に誠実さが伝わります。低い評価への返信は、事実関係と謝罪の範囲を必ず店舗側で確認してから送りましょう。

よくある質問(FAQ)

Q. AIが書いた口コミだと、Googleに見抜かれて削除されませんか?

Googleがポリシーで削除の対象にしているのは、実体験に基づかない投稿や見返りと引き換えの投稿などです。AIで下書きを作ったことそのものを禁じる記載は、ポリシーには見当たりません。ただし、似た文面の口コミが短期間に並ぶと不自然に見えるため、お客様に自分の言葉で直してもらうことが大切です。

Q. お客様が下書きをそのまま投稿しても大丈夫ですか?

下書きの内容がお客様の体験と合っていて、お客様がそれで良いと判断したのであれば問題ありません。体験していない内容が入っている場合は、その部分を消してもらうよう、案内の段階で一言添えておくと安心です。

Q. 口コミを書いてくれたお客様にお礼をしたいのですが、だめですか?

投稿と引き換えに割引や商品を渡すことは、Googleのポリシーで禁止されています。感謝の気持ちは、口コミへの丁寧な返信や、次回来店時のおもてなしで伝えましょう。

Q. AI口コミ生成のツールを選ぶときは、何を確認すればいいですか?

お客様自身が下書きを確認・編集できること、投稿がお客様のアカウントから行われること、設問に否定的な選択肢を設定できること、評価の高低で案内を分けないこと、の4点を確認してください。料金や使いやすさまで含めた比較のポイントは口コミ自動化ツールの選び方でまとめています。店舗が代わりに投稿する仕組みや、高評価の人だけをGoogleへ案内する仕組みのツールは避けるのが無難です。

AIで口コミの下書きを作る仕組みは、正しく運用すれば、「書きたいけれど文章が浮かばない」お客様の背中を押す道具になります。当センターのAI口コミ生成プラン(月額6,600円・税別)は、ここで紹介した流れで、QRコードから選択式の質問、AIによる下書き、お客様ご本人の確認と投稿までを用意しています。導入時の設問やキーワードの設定も、ポリシーとステマ規制を踏まえてご一緒に整えますので、お気軽にご相談ください。

最新情報をチェックしよう!