Googleビジネスプロフィールを使ったインバウンド対策とは、Googleマップやローカル検索経由で訪日外国人客を店舗に呼び込む取り組みのことです。その第一歩は施策ではなく「現状把握」です。自店がすでにどれだけ外国人に見られ、来店されているかを知らなければ、打ち手の優先順位を決められません。本記事では、訪日客の利用状況をデータで把握する方法を解説します。
なぜインバウンド対策でGoogleマップが重要なのか

訪日外国人の多くは、日本のグルメサイトや予約サイトではなく、母国でも使い慣れたGoogleマップで店探しをします。つまりGoogleビジネスプロフィールは、訪日客との最大の接点です。
訪日客は「現在地の近く」で「今すぐ入れる店」を探す傾向が強く、その行動はローカル検索そのものです。しかもGoogleマップは店名や口コミを閲覧者の言語へ自動翻訳するため、店舗側が特別な多言語サイトを持っていなくても情報が届きます。2026年現在、訪日客数はコロナ禍前を大きく上回る水準で推移しており、地方の店舗でも「気づいたら外国人客が増えていた」というケースは珍しくありません。また、旅行の形態が団体ツアーから個人旅行(FIT)へ移ったことで、ガイドブックに載らない店が検索経由で選ばれる機会も増えています。だからこそ、感覚ではなくデータで現状を確認することが出発点になります。
パフォーマンスデータで外国人の閲覧状況を確認する
最初に見るべきはプロフィールの「パフォーマンス」機能です。検索数・閲覧数・ルート検索などの推移から、訪日客の影響を読み取れます。パフォーマンスは管理画面から無料で確認でき、過去6か月分までさかのぼれます。
パフォーマンスでは、ユーザーがどんな検索語句で自店を見つけたかを確認できます。ここに「restaurant near me」「ramen」など外国語の語句が含まれていれば、外国人による検索が発生している証拠です。また、閲覧数やルート検索数が桜のシーズン(3〜4月)や紅葉期(11月)など観光ピークに合わせて伸びていないかも確認しましょう。国内客の動きと連動しない不自然な山があれば、訪日客による可能性が高いといえます。まずは過去6か月分のデータを月別に書き出してみるのがおすすめです。あわせて、通話数やウェブサイトへのアクセス数などの行動指標も記録しておくと、後の施策の効果測定に使える基準値(ベースライン)になります。
口コミの言語から客層の国籍を推測する

すでに来店した外国人客の傾向は、口コミの言語を見れば把握できます。英語・中国語・韓国語など、どの言語の口コミが多いかが客層のヒントです。口コミは「実際に来店した人」だけが残すデータのため、閲覧データよりも確度の高い証拠になります。
自店の口コミ一覧を確認し、言語別に件数を数えてみましょう。管理画面では口コミが自動翻訳されて表示されることがあるため、原文の言語をチェックするのがポイントです。例えば英語口コミが5件、韓国語が3件あれば、その2言語圏の客がすでに一定数来店しています。あわせて口コミの内容も重要です。「英語メニューがなくて困った」「注文方法がわからなかった」といった指摘は、次の記事で扱う多言語対応の優先課題をそのまま示してくれます。競合店の口コミ言語と比較すると、自店の取りこぼしも見えてきます。近隣の同業種で外国語口コミが自店の倍以上ある店があれば、その店の写真・メニュー・属性設定を観察して、真似できる点を洗い出しましょう。
地域の訪日客データで商圏の伸びしろを知る
自店のデータに加えて、地域全体の訪日客動向を掴むと、対策の伸びしろを見積もれます。公的統計は無料で利用できます。
日本政府観光局(JNTO)の訪日外客数統計では国籍別の月次推移を、観光庁の宿泊旅行統計では都道府県別の外国人延べ宿泊者数を確認できます。「自分の県にはどの国からの観光客が多いのか」がわかれば、優先すべき言語の判断材料になります。例えば九州なら韓国、北海道なら東アジア圏と豪州、東京・京都なら欧米豪と中華圏など、地域によって主要客層は大きく異なります。これらの統計はいずれも無料で公開されており、月次で更新されるため定点観測にも向いています。自店データ×地域データの2軸で現状を整理できたら、次のステップである多言語での情報発信に進みましょう。
現状把握のゴールは、「自店には〇〇語圏の客が月に△組来ていて、地域全体では□□国からの観光客が伸びている」と一文で言える状態になることです。ここまで整理できれば、多言語対応の優先言語・写真整備の方向性・口コミ依頼のターゲットが自然と決まります。データの確認自体は1〜2時間あれば完了するため、インバウンド対策の第一歩として今週中に着手することをおすすめします。
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よくある質問(FAQ)
Q1. 訪日客がどの国から来ているか正確にわかりますか?
プロフィール上で国籍別の閲覧データは提供されていません。口コミの言語構成と、JNTOなどの地域統計を組み合わせて推測するのが実務的な方法です。
Q2. 外国人客がまだ少ない店でも対策する意味はありますか?
あります。訪日客はGoogleマップ経由で新規店を探すため、情報を整備した時点から接点が生まれます。競合が未対応の地域ほど先行者の効果が大きくなります。
Q3. 現状把握にはどれくらいの期間のデータを見ればよいですか?
最低6か月、できれば1年分がおすすめです。訪日客は季節性が強いため、桜・紅葉などの観光ピークを含む期間で見ると傾向を判断しやすくなります。
Q4. パフォーマンス機能は無料で使えますか?
無料です。Googleビジネスプロフィールの管理画面から誰でも確認でき、検索語句・閲覧数・ルート検索数などを追加費用なしで分析できます。
