工務店・住宅会社のMEO対策|建設業許可の表示と施工エリア設定で相談につなげる

工務店・住宅会社のMEO対策とは、「地名+工務店」「注文住宅 地名」で検索した人に、Googleマップで自社を見つけてもらい、資料請求や相談、見学会の申込みにつなげる取り組みです。家づくりは金額が大きく、検討期間も長いため、飲食店のように「近いから入る」という選ばれ方はしません。お客様は、許可を持った会社か、自分の土地のある地域で建ててくれるか、どんな家を建ててきたかを、時間をかけて確かめます。この記事では、建設業法などの決まりと Googleのガイドラインをもとに、工務店ならではの設定と発信の順番を説明します。

目次

家づくりの検索で、マップが使われる場面

Photo by Dendy Darma Satyazi on Unsplash

住宅の検討でGoogleマップが開かれるのは、主に「候補の会社を地図で並べて見る」ときと、「見学会やモデルハウスに行く」ときです。

検索の言葉は「建て方」と「地域」の組み合わせ

家づくりの検索は「平屋 工務店 地名」「自然素材 注文住宅」「二世帯住宅 地名」のように、建てたい家の特徴と地域を組み合わせた言葉が多くなります。マップの一覧では、会社名の下に表示される口コミの抜粋や写真で、その会社が得意とする家かどうかが判断されます。説明文や写真の題材は、自社が実際に多く手がけている建て方に寄せて選びます。

建て替え・リフォームとの境目

建て替えを考えている人は、新築の会社とリフォーム会社の両方を候補にすることがあります。新築が中心なのか、増改築も請け負うのかは説明文で明確にします。リフォームが中心の会社の発信はリフォーム会社のMEO対策で扱っています。

許可と登録の表示|工務店の信頼の土台

住宅会社のプロフィールでは、どの許可・登録を持っているかを正確に示すことが、ほかのどんな発信よりも先にきます。工務店に関わる表示の決まりは3つあります。

持っているもの根拠掲げる標識と主な記載
建設業の許可建設業法第3条・第40条建設業の許可票。一般・特定の別、許可年月日・許可番号・許可を受けた建設業、商号、代表者名(施行規則第25条)
建築士事務所の登録建築士法第24条の5建築士事務所の標識を事務所の見やすい場所に掲げる
宅地建物取引業の免許(建売・土地を売る場合)宅地建物取引業法第50条事務所等ごとに宅建業者の標識を掲げる

出典: 建設業法、建設業法施行規則第25条、建築士法、宅地建物取引業法(いずれもe-Gov法令検索)。

建設業の許可がいる工事・いらない工事

建設業法第3条は、建設業を営むには国土交通大臣または都道府県知事の許可が必要としたうえで、政令で定める軽微な工事だけを請け負う場合を除いています。建設業法施行令第1条の2では、建築一式工事なら1件1,500万円未満または延べ面積150平方メートル未満の木造住宅の工事、それ以外の工事なら500万円未満が軽微な工事です。新築の注文住宅を請け負う会社の多くは許可を持っているはずなので、許可番号を説明文の終わりやホームページの会社概要に書き、プロフィールのウェブサイト欄からたどれるようにしておきます。

許可票の写真をプロフィールに入れる

建設業法第40条は、建設業者に店舗と現場ごとに許可票を公衆の見やすい場所に掲げるよう求めています。事務所の入口や受付の写真を載せるとき、許可票や建築士事務所の標識が写り込むようにしておくと、文字で書いた内容の裏付けになります。許可の有効期間は5年で更新が必要(第3条第3項)なので、更新後は写真も差し替えます。

「建築士」「一級」の書き方

建築士法第34条は、建築士でない人が建築士やまぎらわしい名称を使うことを禁じ、二級建築士が一級建築士を名乗ることも禁じています。スタッフ紹介の投稿で資格を書くときは、資格の種類を正確に書きます。

住所を表示するか、隠すか|工務店ならではの判断

工務店はお客様の土地で家を建てる仕事なので、Googleの分類では「非店舗型」と「ハイブリッド型」のどちらにもなり得ます。どちらに当たるかで、住所の扱いが変わります。

お客様が来る事務所があるならハイブリッド型

打ち合わせスペースやショールームがあり、営業時間中にお客様を迎えているなら、住所を表示したままサービス提供地域を追加します。Googleに掲載するビジネス情報のガイドラインは、拠点となる住所に1つのプロフィールを作り、サービス提供地域を指定するよう案内しています。

お客様が来ない拠点なら住所を消す

自宅兼事務所で来客を受けていない場合は、Googleビジネスプロフィール ヘルプの「非店舗型ビジネスとハイブリッド型ビジネスのサービス提供地域を管理する」に、その住所で商品やサービスを提供していないなら住所を削除するよう書かれています。住所を出したままにすると、地図上で家の場所が分かってしまう点にも注意します。また、営業時間中にスタッフがいない「仮想オフィス」は登録できません。

施工エリアは実際に建てられる範囲で

同じヘルプによると、サービス提供地域は市区町村や郵便番号で最大20か所まで指定でき、全体の範囲は拠点から車でおよそ2時間以内に収めるよう案内されています。工務店の場合は、現場監督が無理なく通え、アフター点検に駆けつけられる範囲が目安になります。「県内全域」と広げすぎず、実際に施工している市町村を並べます。操作の手順は住所・マーカー・サービス提供地域の設定方法で説明しています。

モデルハウス・見学会をどう扱うか

Photo by Se. Tsuchiya on Unsplash

住宅会社に特有なのが、本社とは別の場所にあるモデルハウスや、期間限定の完成見学会です。

常設のモデルハウスは拠点の条件を確かめる

ガイドラインは、営業時間中にスタッフがいる実在の拠点をプロフィールの対象としています。常設のモデルハウスで、決まった時間にスタッフが案内しているなら、独立した拠点として登録を検討できます。名前は看板どおりにし、「〇〇ホーム 〇〇展示場」のように実際の名称を使います。予約制で普段は無人の建物は、拠点として登録する条件を満たさない可能性があります。

完成見学会は投稿のイベントで告知する

お客様の家を借りて行う完成見学会は、その場所をプロフィールとして登録するものではありません。本社のプロフィールからイベント投稿で日時と予約方法を告知します。施主の住所が特定されないよう、投稿には地区名程度までを書き、詳しい場所は予約した人だけに伝えます。

宅地建物取引業の広告の決まり

建売住宅や土地を売る場合は宅地建物取引業の決まりも関わります。宅地建物取引業法第33条は、工事の完了前に建築確認などの処分を受けるまでは、その建物の売買に関する広告をしてはならないとしています。投稿で「〇〇区に新しい分譲住宅を計画中」と販売を予告する場合も、この時期の制限にかかるかを確かめてから出します。第32条は、所在や規模、価格などについて事実と著しく違う表示を禁じています。不動産仲介を兼ねる会社は不動産会社のMEO対策もあわせて確認してください。

施工事例の写真と投稿の題材

工務店の写真は、建てた家そのものが最大の説明になります。一方で、写っているのはお客様の住まいなので、扱いに気をつけます。

施主の同意と、場所が分かる要素の確認

施工事例を載せる前に、施主に掲載の同意をとります。外観写真は、表札、番地の表示、周りの特徴的な建物や看板が写っていないかを確かめます。室内は家族の写真や郵便物など、生活が分かるものを外して撮ります。

1棟を「工程」で見せる

完成写真だけでなく、基礎、上棟、断熱材の施工、完成の順に工程を追った写真は、家づくりの中身が見えにくいお客様にとって判断材料になります。完成後は見えなくなる部分の施工を、何に気をつけているかの一言とあわせて投稿します。

自社で建てていない写真は使わない

イメージ写真や他社の施工例を自社の事例のように見せることは、景品表示法第5条第1号の優良誤認表示にあたるおそれがあります。素材集の写真を使う場合は、施工事例とは別の扱いにします。

OB施主の口コミを集める時期と返信

家づくりの口コミは、検討中の人がもっとも時間をかけて読む情報です。工務店は取引の回数が少ないので、お願いする時期を決めておくことが大切です。

お願いする時期は引き渡しと点検のとき

引き渡しの直後は、打ち合わせから完成までの対応を思い出しやすい時期です。また、1年点検などで住み心地が分かった頃も、具体的な口コミになりやすい時期です。お願いの文面とルールは美容室の記事の口コミの章で、Googleのポリシーと景品表示法の両面から説明しています。

施工中の近隣からの口コミへの返信

工務店には、施主ではなく現場の近隣の人から、騒音や車両の停め方について口コミが書かれることがあります。返信では、ご迷惑をおかけした点を謝り、作業時間の決まりや連絡先を書き、施主の名前や現場の詳しい住所は出しません。

家づくりの会社で出やすい疑問

建設業の許可番号はプロフィールのどこに書けばよいですか?

説明文の最後に「建設業許可 〇〇県知事(般-〇)第〇号」のように書くか、ウェブサイト欄からたどれる会社概要のページに載せます。番号や許可の種類は許可票と同じ表記にそろえます。

自宅兼事務所でも登録できますか?

登録はできますが、お客様を迎えていないなら住所を非表示にし、施工エリアをサービス提供地域で指定します。住所を出す場合は、営業時間中に来客に対応できることが前提です。

施工エリア外の検索でも表示されますか?

サービス提供地域は表示を約束する設定ではなく、検索した人の場所や言葉によって表示は変わります。範囲を広げるより、実際に建てている地域の施工事例を増やし、その地域の名前を投稿で自然に使う方が内容と一致します。

口コミの少なさをどう補えばよいですか?

年間の棟数が少ない工務店は、口コミの件数で大手と競う必要はありません。1件ずつ丁寧に返信し、施工事例の写真と工程の投稿で、口コミが少なくても仕事の中身が分かる状態をつくります。

見学会の予約をプロフィールから受けられますか?

予約フォームのURLをウェブサイト欄やイベント投稿のボタンに設定できます。予約ボタンの連携は業種や予約サービスによって使えるかが変わるので、管理画面で選べるかを確認してから案内します。

説明文には何をどの順番で書けばよいですか?

Googleビジネスプロフィール ヘルプの「ビジネス プロフィールを編集する」によると、説明文は全角375文字(半角750文字)までです。限られた字数なので、最初の2〜3文で、どの地域で、どんな家を、何棟くらいの規模で建てている会社かを書きます。続けて、設計を自社で行っているか、構造や断熱で大切にしていること、アフター点検の体制を書き、最後に許可番号や登録を添えます。「地域No.1」のように根拠を示せない言葉や、見学会の日程のように古くなる情報は入れず、日程は投稿に回します。

許可の確認から施工事例まで、着手の順番

最初に取りかかるのは、建設業の許可、建築士事務所の登録、宅建業の免許のうち、自社が持っているものを確かめることです。そのうえで、許可票などが写った写真と説明文の記載をそろえます。次に、来客を受ける拠点かどうかで住所の表示を決め、施工エリアを実際に建てている市町村で指定します。そのうえで、施主の同意を得た施工事例を工程つきで載せ、見学会はイベント投稿で告知し、引き渡しと点検の時期に口コミをお願いします。家づくりの会社選びは長い検討なので、更新の頻度よりも、載せている情報が正確で古くなっていないことを優先します。

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